ジークレインの決断
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ていた。
「ジェラール様?」
「ふふふ・・・やはりエルザはいい女だ。実に面白い」
そう言い、ニッと口角を上げる。
「俺が勝つか、エルザが勝つか。楽しもう。生と死・・・そして過去と未来を紡ぐ、楽園のゲームを」
「し、しかし・・・評議院の動きも気になりますな」
男の心配そうな言葉にも、ジェラールの笑みが崩れる事はなかった。
魔法評議会会場、ERA。
「Rシステムは人間の生と死の法則を無視した、極めて危険な思想が生み出した許されざる魔法」
「占拠しているのが何者だろうと『敵』とみなすべきだ!」
「ただちに軍を派遣するのじゃ!」
そんな意見ががやがやと飛び交う。
その騒がしく宙を舞う言葉を、ジークレインの一言が沈めた。
「・・・鳩共め」
その言葉に言い争いが止まり、全員の目がジークレインに向かう。
「!?」
「何!?」
「ジーク、貴様」
その呟きや叫びを無視し、ジークレインは勢いよくテーブルを叩いて立ち上がる。
「俺から言わせれば、軍の派遣程度ハト派を呼ばざるを得ないと言ったんだ。あれは危険だ、危険すぎる。アンタ等は何も解ってない!楽園の塔を今すぐ消すなら方法は1つだろ!」
そう叫び、ジークレインは言葉を続けた。
「衛星魔法陣からのエーテリオン!」
その言葉に、その場にいた全員が目を見開いた。
・・・否、正確にはヤジマとクロノ以外である。
「な!」
「超絶時空破壊魔法だと!?」
「正気か!?」
「被害予測は出来ているのか!?力加減で一国をも消せる魔法だぞ!」
「エーテリオンは我々の最終兵器じゃ!Rシステムより危険な魔法なんじゃぞ!」
ジークレインの発言に一気に反対意見が飛び交う。
「ふぅ・・・」
「エーテリオン、ねぇ・・・」
ヤジマは溜息をつき、その近くに立つクロノは薄い笑みを浮かべて呟いた。
ちなみに彼は評議員の10人の中にはいない。強行検束部隊の人間だ。
が、特別理由で会議参加を許されている立場だ。
その理由は後々説明するとしよう。
「しかし衛星魔法陣ならばこの地上全てのものを標的に出来る。そしてあの巨大な建造物を消すにはエーテリオンしかない」
ジークレインの意見は御尤もではあるのだが、エーテリオンは評議院の最終兵器。
下手をすれば・・・いや、確実に中にいる人間は全員死んでしまう。
便利で強力、故に最終兵器なのだ。
「賛成・・・ですわ」
「ウルティア!貴様まで」
そんな空気の中、ウルティアがゆっくりと手をあげる。
「評議員は全部で9名。
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