第一章 平凡な日常
32、謎のチビッ子現る!
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「く〜っいい天気だなぁ」
オレは今、何となくで並盛を出て、知らない町をぶらついていた。
風紀の仕事から逃げてきたのはいいが、ケータイは忘れるわ道に迷うわで、テキトーに放浪中。
上を見上げると、冬空は綺麗に染み渡っていた。
さて、どこに行こうか、そんなことを考えたときだった。
「きゃああああ!! 子供が轢かれる!!」
女性の叫び声。
弾かれるように振り返ると、道路の真ん中で倒れている一人の少年と、彼に迫るトラックがあった。
――――やばい!
反射的に駆け出す。
周りにいる奴らは、見ているだけで誰一人助けようとしない。
「くそ偽善者どもが!」
とにかく急ぐ。
だが、どう頑張ってもオレのいる距離じゃ間に合わない。
――――どうする
――――どうする
――――どうすれば!!
『その為のブレスレットだろう』
フッと聞こえてきた銀の声。
ブレスレット……そうか、その手があった!
「頼む、間に合ってくれ!!」
急いで脚力をあげる。
いっけえぇぇぇええ!!!
――――キイイイィィィッッ
いつだか聞いた、耳障りな音が響く。
そっと目を開けると、オレの周りに人だかりができていた。
「けほっ……けほっ……、お兄ちゃん……?」
オレの腕の中にいた少年が動く。
よかった……無事だったか。
けど、悪ぃな……オレは……うご……け……な…………。
†‡†‡†‡†‡†‡
「お兄ちゃん!? お 兄ちゃ ん! しっかりして!」
自分を助けてくれた人に向かって叫ぶ少年。
その声に導かれるように、路地裏から一人の金髪の青年が現れた。
「坊っちゃん! ご無事ですかっ!?」
「お兄ちゃん! この人、僕を助けてくれたのに……」
少年を抱き締めていた要を見て、青年は驚きに目を見開く。
どこからも血は出ていないが、その目は固く閉じられ、ピクリとも動かない。
「至急、病院に連絡を!」
†‡†‡†‡†‡†‡
気がつくと、白い部屋にいた。
それが銀の世界ではなく病院であると分かるのに、そう時間は要らなかった。
「お兄ちゃん!」
「!? お前は……」
視界に飛び込んできたのは、あの少年だった。
身体中を襲う痛みに堪えながら、起き上がる。
オレがいるのは個室で、周りには黒スーツの男たちがいた。
その中の一人、金髪の青年が近づいてきた。
「気分は大丈夫か?」
「あ、ああ。あんたは一体……?」
「オレはγ。坊っちゃんを守ってくれたことを感謝する」
γ?
ってゆーと、確か……ジッリョネ
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