第123話 十常侍誅殺 後編
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!」
猪々子(文醜)が元気な声で答えた。
「ええ、張譲達宦官によるものでしょう。多分、張譲達は諸候の誰かと密約を交わし、何進様の暗殺を決行した。諸候は密約通り上洛したのでしょう。でも、腑に落ちないことがありますわ」
「麗羽様、何がです?」
斗詩(顔良)は麗羽(袁紹)に質問した。
「もし、何進様の暗殺は綿密な計画を立てていたと思うのです。にも関わらず密約を交わした諸候は都の外で待機していた」
「宦官達が血の気の多い何進派を一掃しようと思ったんじゃ」
「おかしく思いません? 私達は張譲以外宦官達は皆殺しになりましたのよ。保身のために何進様を殺そうとした宦官達が自らを犠牲にして血の気の多い何進派を粛正する理由がありませんし、何進派の報復を警戒するなら、密約した諸候を直ぐに都に招き入れるべきですわ」
「う〜ん、諸候が裏切ったのだ!」
鈴々(張飛)は満面の笑みで答えた。
「そう考えるのが自然ですわ。その諸候は鼻から張譲と手を組むつもりはなかったのでしょう。狙いは陛下の確保し朝廷での権力掌握と睨んでよいと思いますわ。ここにいたっては陛下を奪取する機会はありません。私達は速やかに冀州に下ります」
麗羽(袁紹)は急に厳しい表情で話だした。
麗羽(袁紹)の屋敷??????
「麗羽様、お帰りなさいませ。替えのお召し物をご用意しております」
「いえ、直ぐに出立いたしますわ。宮廷に向った兵達は全て帰還していますわね?」
「はい、兵達は既に帰還しております。それより、何かございましたか?」
桂花(荀ケ)は麗羽(袁紹)の厳しい表情から何か問題が起こった感じたようだ。
「張譲の手駒が、張譲を殺し都に向っています。手駒の率いる兵は大軍と見ていいですわ。直ぐにここを立ち去らなければ不味いことになります」
桂花(荀ケ)は麗羽(袁紹)の言葉に表情を変えた。
「麗羽様、ご賢明な判断でした。わかりました既に準備は整っておりますので直ぐにでも屋敷を立ちましょう」
「桂花(荀ケ)さん、この屋敷には火を放ちなさい。家人の者には屋敷ある金目の物を全て分け与えて当分の生活に困らないように配慮してください。行き場所の無い者はしばし時をおいて冀州清河国を尋ねるよう指示なさい。正宗様が善きように取りはからってくださるはずですわ」
「全て整っております。麗羽様であれば、そのようにご命じなると思っておりました」
桂花(荀ケ)は馬上の麗羽(袁紹)に拱手をし答えた。その言葉に麗羽(袁紹)を優しい笑みを浮かべ、瞳を閉じ黙考した後口を開いた。
「わが子房なり」
桂花(荀ケ)は麗羽(袁紹)の言葉に一瞬驚いた表情をした。
「もったいない、お言葉にござい
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