第123話 十常侍誅殺 後編
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連れて逃げ出したことを知り、急ぎ鈴々(張飛)、猪々子(文醜)、斗詩(顔良)と選抜した騎兵五十を連れ張譲を追って都の外を河内郡の方向に向けて駆けていた。途中、馬車の走行後の痕跡を見つけた。その痕跡から、それほど時間が経っていないことを知った麗羽(袁紹)達は張譲に追いつくべく急いで馬を走らせた。麗羽(袁紹)が張譲の追跡に固執する理由は何進の仇以上に、生かしたまま逃がすことが自分達にとって危険と思ったからだ。最悪なことは皇帝・劉弁と、その妹・劉協を伴っている点。彼女は麗羽(袁紹)、ひいては彼女の夫・正宗(劉ヨウ)に逆賊の勅を出されることを一番に恐れ、自分の行いのせいで夫に類が及ぶことは絶対に避けなければと思っていた。馬を走らせて六刻が過ぎた頃、遠目に土煙を確認した。麗羽(袁紹)は馬を止め土煙の立つ方角をじっと見る。土煙の方角には人影は未だ確認できない。だが、その土煙は軍勢が集団でこちらに向っていることはわかった。土煙のみであるということは軍勢の数はかなりの数と見ていい。
「嫌な予感がする。潮時のようですわね。皆さん、撤退します!」
麗羽(袁紹)は舌打ちし、周囲の人間に命令を下す。
「麗羽お姉ちゃん、悪者を懲らしめなくていいのか?」
「鈴々さん、まずは桂花さんと合流します。話は都についてから説明します。急いで逃げますわよ」
麗羽(袁紹)はそう言うと都に向けて馬を走らせた。
「えっ、ちょっと姫待って」
「麗羽様、待ってください。ええと、兵の皆さん、とりあえず急いで逃げましょう」
「麗羽お姉ちゃん、待ってなのだ〜」
先行する麗羽(袁紹)を皆急いで付いていく。麗羽(袁紹)が張譲に追いつくために歩兵でなく兵種を騎兵に絞り、更に精兵のみに絞ったことが功を奏し撤退は速やかに行なうことができた。
洛陽某所??????
麗羽(袁紹)は都に付くと桂花(荀ケ)と合流するために自分の屋敷に向った。
「麗羽お姉ちゃん、そろそろ説明して欲しいのだ!?」
その道中に一番最初に口を開いたのは鈴々(張飛)だった。
「鈴々さん、あの時の土煙から推察して大軍勢であることはわかりますわね?」
麗羽(袁紹)は鈴々(張飛)を見た。鈴々(張飛)は頷く。
「大軍が都の直ぐ近くにいて私達が把握できなかったこと事態おかしいですわ。軍勢の規模の詳細はわかりませんが、あの土煙からして相当な規模と見ていいです。途中、羽林軍の駐屯地があるのに素通りなんてできるわけがない。何者かが手引きしたと見ていいですわ。その場合、誰があの軍を洛陽に呼んだか。何進様は諸候に上洛を催促していましたが、まだ上洛する旨を出してきた諸候はいません。あれは何進様の招聘によって上洛する諸候ではないはず」
「姫、張譲じゃないの
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