第123話 十常侍誅殺 後編
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台詞だ。 私は宮廷内で人の悲鳴を聞いたので、陛下の元に参ったのだ」
「張譲、この騒ぎなんなのだ?」
「賊が宮廷を襲撃しております。つきましては直ぐに宮廷を離れたいと考えております」
「都には禁軍がいるはず。それを直ぐに招集せい」
「宮廷の奥まで賊が侵入しており、禁軍の到着を待っていられる事態ではありません」
「しかし、皇帝が宮廷を離れるなど前代未聞。禁軍の到着を待つべきでないか?」
劉弁は張譲の言葉に納得せず、決断を渋っていた。
「近衛兵! 直ぐに集めれるだけの兵を集めよ。それと馬車は裏門に止め待機しておれ。陛下を連れ私も直ぐ行く」
張譲は劉弁の態度を待たずして、側にいる近衛兵に命令を出した。近衛兵は張譲の命令を受けると下がっていた。
「張譲、貴様! 陛下を無視して命令を出すとは何事じゃ。分を弁えよ」
「賊に襲撃を受けているのです。陛下と陳留王は私と一緒に同道願います」
劉協が凄い剣幕で張譲を睨みつけるが、張譲は何も気にせず陛下と陳留王に話をする。彼の表情は有無は言わさないという表情だった。
「陳留王は陛下が賊の凶刃に倒れることをお望みか?」
「そのようなことなどあるか!」
「では、納得いただけますな」
「陛下、ご面倒をおかいたしますがご容赦のほどを」
「仕方ない。張譲任せる。協、お前の気持ちはよくわかっている。これ以上、張譲を困らせるな。こやつはこやつなりに朕のことを思って行動をしているのだ」
張譲達が会話している間に近衛兵が十人来て、逃亡の準備が整ったことを伝えきた。張譲達は近衛兵の先導に従い都を立った。
馬車の中の空気は険悪だった。劉協が終始張譲を睨みつけていたからだ。劉弁は、そんな妹を「困った妹だ」とという表情で見ていた。睨まれている張譲は全然気にしていない様子だった。険悪な空気の漂う中で口火を開いたのは劉協だった。
「張譲、何処にいくのじゃ」
「陳留王、向う先は私の知己の者の元です」
陳留王と呼ばれた少女、劉協は張譲の顔を不信の表情で睨みつけた。張譲は、その感情を読み取ったのか話を続ける。
「陳留王、ご安心ください。宮廷を去るは一時なもの。向う先には董仲穎がおりますれば、合流次第に都へ返し賊を討伐いたします」
「信用できる者なのか?」
劉弁が口を開く。彼は聞き慣れない者の名を聞き張譲に質問した。
「董仲穎は黄巾の乱のおり持節・東中郎将を務めたものにございます。現在、河内郡に兵を駐屯していると聞いております。七日もあれば到着いたします」
「七日だと? そのように時間がかかっては董仲穎の元にたどり着く前に賊の手に落ちるのでないか? そもそも本当に宮廷を襲撃した者達は賊なのか?」
劉協
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