第一章 平凡な日常
番外3、人生の日記
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11月2日。
初霜が降りたこの日、私たちに二人目の子供であり長女が生まれた。
夫と相談して、名前は『要』に決めた。
いろんな人に必要とされる人に育ってほしい。
そんな願いを込めて。
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12月25日。
私たちはある異変に気づいた。
それは、要の容姿。
エメラルドグリーンの髪に緑の瞳。
私も夫も黒髪なのに。
彼は不気味がっていたけど、私は違う。
だって今日はクリスマス。
きっとサンタさん……いいえ、神様からのプレゼントね。
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1月1日。
この子が生まれてから、初めて親戚が集まった。
「氷のようだ」
「悪魔の子だ」
って。
誰にも受け入れてもらえない、可哀想な子。
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2月11日。
要が生まれて4ヶ月が経った。
今日初めて、要が言葉をしゃべった。
「パパ、ママ」
って可愛い子ね。
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8月3日。
要が生まれてからの三度目の夏。
今日も要は私たちを驚かせた。
驚異の頭脳。
学び事が好きな要にほんのおふざけのつもりで高校のテキストを渡したら、いとも簡単に解いてしまった。
たった3歳の小さな女の子が!
†‡†‡†‡†‡†‡
9月14日。
要の頭脳を知ってから1年と少し。
夫が本格的に要のことを恐れるようになった。
「気味が悪い」
「早く要を養子に出そう」
「もう、そいつと一緒に暮らしたくない」
「早くそいつを捨ててくれ!」
ねぇ、どうして?
自分の子なのに……。
9月15日。
《○県××市で強盗殺人事件が発生。被害者は、霜月美乃里(29)と夫の聡志(30)。長男の――くん(―)は死体が発見されなかったが、夥しい出血が確認され、死亡と断定。長女の要ちゃん(4)は幼稚園に居たために難を逃れた。 (△新聞)》
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4月23日。6歳。
私に初めての友達ができた。
彼女の名前は高城彩加。
お母さん以外にたった一人だけ、私の髪が好きだと言ってくれた。
二人にも、彩加を会わせたかったな。
†‡†‡†‡†‡†‡
7月7日。
彩加と二人で、お母さんのお気に入りのお店に行った。
こっそりプレゼントを買ったら、向こうも同じやつの色違いを買ってた。
親友の証、大切にするね
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