暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
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上に球状に集まっていく。
属性は、自身の最大の力。
《精神感応》
精神という、もはやゲームを激しく逸脱した物へ半強制的にアクセスし、乗っ取る事さえも可能である禁断の力。
親である《災禍の鎧》は、装備した者の精神を確実に蝕み、破壊の化身として発現させていた。例外だったのは、あの奇妙な口調のダガー使いだけだっただろうか。
その力を受け継いだ自分もまた、それと同様の力を要していた。他人の深層心理にまで潜り込み、大切な部分をゆっくりと引き千切る。あの感触は、堪らなく心地よかった。
SAO────ソードアート・オンラインがクリアされ、意識が覚醒した時に目の前にいたのは、ごてごてと眼を引く装備を身体に纏った男だった。
男は言った。
その力、我々の研究のために貸してはくれないか、と。
そこからの日々は、はっきり言って退屈な毎日だった。毎日毎日、代わる代わる人間の脳にアクセスし、そのデータを取られる日々。
今となっては、我ながら何を馬鹿げた事をしているのだろうと思う。あの時、あの時点で、目の前の男の脳味噌を引きずり出して従わせれば良かったのだ。
だが、まぁ。
今となっては詮無きことだ。
あの男も、あれだけ適当に術を掛ければ、十中八九廃人コースは確定だろう。もし廃人になっていなかったとしても、あとで海馬の辺りをまさぐったら絶対に《終わる》し。
ニィ、と《鬼》は口角を吊り上げ、引き裂くような、焼け爛れたような笑みを浮かべた。
『コレデ、終ワリダ』
手のひらの上に浮かぶ球体。それを開放するために、最後のフェーズを実行する。
『……
呪法
(
ディアボロ
)
《
傀
(
かい
)
────』
ドッッ───グンンッッッッッ──────────!!!!!!
空気が、震えた。
ビリ、ビリ、と帯電したように重力が逆流する。
空間がミシミシ、と軋むような音を発する。
その中で、狂楽は浮かべていた笑みを数段濃くした。堪らえ切れないといったように、呼気が吐き出される。
『…………………来タカ』
ズッ、と紅衣の少年の背が、もたれ掛かっていた格子から離れた。
少年の小柄な身体がゆっくりと起き上がり、前傾姿勢で止まった。何も持っていない両腕が、身体の前でだらんと力を失ったように垂れ下がる。
俯き加減で、長めの前髪に隠された両の瞳が、ヴン!という音とともに強く発光した。
その色は────蒼。
『兄様ァ………ッ!』
喜びに震える《鬼》の前で、覚醒した《鬼》は────
嗤った。
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