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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
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、気持ちが悪い。
気持ちが悪くて、気色が悪い。
「………なんで手前ぇはそこまで……、あのガキを助けようとする…。《人間》は
自分
(
てめぇ
)
の命が一番なんじゃぁねぇのかよ。……お前ぇにとって、あのガキはそこまでする価値があるのかよ………!」
頭上より叩きつけられる言葉。
それに、少年は答える。
考えるまでもなく、即答した。
頭を上げ、こちらを見下ろして見下す蒼き瞳を、真正面から射抜く。
「決まってる。僕が……助けたいから助けんだ!文句あっか!!」
びり、びり、と部屋全体が少年の血の吐くような叫びに呼応するかのように、あちこちが軋んだ。
部屋の中央に据えられたグランドピアノから、ピン!というデンジャラスな奇音が響く。
「…………だが、今のお前ぇにそれだけの力ぁねぇよなぁ」
「…………………………」
キッ!と睨みつけるが、しかし自分でもその視線に力が入っていないのは明確に理解していた。それでも、いやだからこそ、少年は真っ直ぐに睨みつける。
それを受ける二つの蒼い瞳も、また何の感情も揺らぎも浮かんではいなかった。ただそれでも、決して視線を外そうとはしなかった。
その膠着状態が数秒間持続した後、先に折れたのは狂怒と名乗る青年のほうだった。
はぁ〜っ、と肺の中に溜まった空気全てを吐き出すような溜め息をつく。次いで、ガシガシと髪を鬱陶しげに掻いた。
しょぉがねぇなぁ、という声が口許から漏れる。
「小僧、身体の所有権、いったん俺に明け渡せ」
「………とか言って奪い取る気じゃないだろうね」
少年の疑わしげな声に、かっかっか、と青年は再度呵呵大笑した。
「心配すんな。言ったろ、俺にはアイツみてぇな精神感応力はねぇってよ」
なおも食い下がって睨みつけていたが、どうやら男の言葉には嘘や虚言といった要素は感じられない。そもそも、今のこの状況ではこの粗野な言動の目立つ青年に頼る他はないか、という結論に至り、少年は腰を上げかけた。
その前に、気が付いた。
今の男の言葉の内容。《アイツ》、確かに目の前の青年はそういった。
蒼い瞳を持つ青年は、そう言った。
「アイツ。それが……、アスナねーちゃんに憑いているモノの正体なの?」
「あぁ。だが憑いてるっつっても、実際はんな大層なモンじゃねぇ。あの嬢ちゃんの上っ面の精神を取り囲んでるだけで、その本質にはおいそれと短時間で突っ込めることなんてできねぇ」
「……でも逆に言えば、長時間、腰を据えてじっくりやったんなら、《できる》ってことなんじゃないの?」
鋭く飛んだ少年の返答に、しばらく青年は答えなかった。右手を持ち上げ、あごの辺りを痒くもなさそうにポリポリと掻く。
それは、この沈黙の
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