第10話:オリエンテーションキャンプ(3)
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してばれないようにすることが目標だ。
俺は、この場に留まっていた場合、俺にも先生からいらぬ疑惑を立てられかねないので、早めに着替えて外に非難することにした。俺が風呂から出てそれなりの時間が経った時、その俺の懸念が現実のものになる。
俺はさっさと換えのジャージを着用して、娯楽室のソファーの上でだらだらと身体を横にして過ごしていた。響も数分後、上下黄色のパジャマを着て女子の風呂場から出てきた。黄色に合うよな、響。そして左右を見渡して、娯楽室のソファーで横になっている俺と目が合う。俺は右手を上げて「よう」と合図をした。響も手を上げようとしたが、後ろに視線を移して何かに気がついたように下ろし、そして俺から目を逸らす。…俺、何かしたか?ひょっとしたらあの会話で何かあったのか?
響に続いて出てきた二人の女子生徒が響に合流する。そして、響の視線がちらちら向かう先にいる俺を見て、何かニヤニヤしながら響の後ろを脇でつっついている。響は困っているようだ。何かあったのだろうか。しかし、深刻ではなく何かでからかっているみたいだから、俺が気にするレベルのことではないだろう。二人は何かを響を言い残すと、口に手を当ててニヤニヤしながら去っていった。
彼女らが去った後、響はこちらに歩を進めた。俺は普通に「よう、もう上がったのか」と問う。響はそんな俺の方を見て、「ええ」と端的に返される。なんかいつもとはトーンが違う感じだ。動揺している、そんな時の響に似ている気がする。様子も雰囲気もなんだかいつもと違う感じだ。
そのいつもの違う様子に加えて、風呂に入った後なのだろうか、いつも結んでいた髪を解いてしっとりと濡れ、頬もほんのり赤い。なんか、艶やか感じがするぞ。18歳未満とはいえ、ドキッとさせられるな。
「何か風呂で俺の名前が出ていたけど、俺について話していたのか?」
「聞いていたの?それは感心できないわね」
響はジト目になって俺を見る。風呂の中から女子中学生の会話を盗み聞きする俺の姿でも想像しているのだろうか。うん、そんな姿の俺は紛れも無い変態だな。だから早くそんな想像の俺を払拭させないと。
「上でそっち繋がっているんだから聞こえない方がおかしいだろ」
「ふふ、冗談よ。知子や私が拓君と仲良いね、という内容よ。それで、私か知子のどちらかが拓君と付き合っているんじゃないかって」
何だ、そんなことか。いつものように腐れ縁で済ませてしまえば楽に収まるじゃないか。何回もそれは聞かれたことだろ?
「昔からの腐れ縁だし、そう見られてもおかしくないのはいつものことだろ?」
「…やっぱりね。拓君ならそういうと思った」
目を瞑って、響が小さくぼやく。そして、俺の横に腰を下ろ
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