第一章 〜囚われの少女〜
盗賊団
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果てしなく広がる空と海のあを。
そのどちらとも一線を画すように宙船は浮かび、一直線に前を目指す。
凪いだ風の中、肩にかかる金髪を後ろに束ねただけの少年がいた。
どこか冷めたような蒼の目をした、黒服の少年は船の甲板に佇む。
端整な顔立ちからは中性的な印象が伺える。
いつも手袋をはめており、いかにも神経質そうである少年は、丸眼鏡から湾曲した世界を見ていた。
突如、背後から女の声。
「は〜い、ジャック。お・は・よ!」
陽気にやってきたのは、髪を高く結んだ女。紫色の花で染めたように色鮮やかな髪が、その尾を引く。
女は少年の背中に手を触れようとした。
「ひっ」
――刹那、女は思わず悲鳴をあげる。
少年は氷のような恐ろしく冷ややかな目で女を睨んでいた。
言葉を発するでもなく、その目は告げる。
『触るな』
心底冷や冷やした苦笑いを浮かべ、女は後ずさりした。
「わっ、悪かったってば! そんな、汚いものを見るみたいにっ……こっち見ないでよっ!」
そうしていると、その後ろからさらにもう一人。
「何なに〜? 何の騒ぎ?」
その人物は、またもや意気揚々とやってきた。
「なんだか楽しそうじゃな〜い? アタシも混ぜて〜?」
「団長!? 聞いてよ〜!」
女はその人物に泣きついた。
「ジャックの奴ったら、またあたしのこと汚いもの扱いするのっ!」
「そう嘆かないの、ミカエラ」
その人物は、よしよし、と女のおでこを撫でた。
「ジャック、彼女に悪気はないのよ。許してあげてね?」
金髪の少年――ジャックは一旦視線を下に逸らし、納得のいかないような顔だ。
しかし、それからすぐに『仕方ない』とでもいった風に眉を上げる。
そして視線を戻すと、いつもの冷淡な様子で、ようやく言葉を発した。
「僕は女が嫌いなんだ。触られるなんて、特にね。」
それは二人のどちらかに言うわけでもなく。
ジャックはその一言を言い放ったきり、その場から去った。
その行動は、大体決まっている。自室へと戻り、小説でも読むのだろう。
バタン――ドアの閉まる音がし、その場の空気の静けさをより強調する。
「大丈夫よ、ミカエラ」
ミカエラと呼ばれた女は肩をすくめ、小さく“お手上げ”のポーズをしてから微笑んだ。
「ま、あたしだけにじゃないなら許してあげる、かもね」
ジャックの態度を全く気にしていないかのように、悪戯なウィンクをする。
「……でも、潔癖症なのに海賊なんてよくやってるわ。そう思わない? ね、だんちょ?」
何の問題も心配も無いかのごとく、その人は微笑んでいた。
「天は人を最初から、完璧なものにはしないんだよ。そんなものの集合体だから、人は人を好きになるし、人生はきっと
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