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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第3話:ハイジャック事件−3
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を見ていたゲオルグがティグアンに尋ねる。

「ティグアンはジュリアちゃんが好きなのか?」

訊かれたほうのティグアンは少し考えるように首を傾げたあと、
ゲオルグの目を見た。

「うん、だいすきだよ!」

満面の笑みを浮かべたティグアンが迷いなく言う。
ゲオルグはそんなティグアンを微笑ましく見る。

「そっか。ジュリアちゃんもティグアンのことが好きだといいね」

「うん!」

ゲオルグの言葉にティグアンは大きく頷いた。





夕食後、片づけを終えたゲオルグとなのははリビングのソファに並んで座り、
お茶を飲みながら話をしていた。
時刻は午後9時すぎ。
ティグアンは既に寝入っており、ヴィヴィオはテスト勉強のために自室にいる。

最初、なのはの教導から始まった2人の話は、今朝あったハイジャック事件の
話題へと移っていった。

「・・・へぇ。 お義姉さん、今は次元港にいるんだね」

「うん。 俺も知らなかったけどな。 それなりにうまくやってるみたいだよ」

「よかったじゃない。 復帰するときはずいぶん大変だったんだし」

「まあな。 ただ、あそこまで元気になる必要はなかったんじゃないかと思うけど」

「ひょっとして叩かれたことを言ってるの?」

なのはが上目づかいでゲオルグの顔を見る。
ゲオルグはなのはと目が合うと苦笑して自分の頭をそっと撫でた。

「叩くっていうか殴るだよ、あれは。 まだちょっと痛いしな」

「どれどれ?」

なのははソファの上に膝立ちになると、ゲオルグの頭頂部をじっと見る。

「あ、ほんとだ。 たんこぶになってるね。 痛そう・・・」

「痛いんだよ。 ったく、人の頭をグーで思い切り殴るとかあり得ねえだろ・・・」

ゲオルグは顔をしかめて言う。

「まあ、それはそうかもしれないけどさ、お義姉さんもゲオルグくんのことを
 立てようとしてくれてのことなんでしょ? ありがたいことじゃない」

「俺としては、そんなことはどうでもいいんだけどな」

ゲオルグは憮然とした表情で、ソファの背に身体を預ける。
なのはは膝立ちのままゲオルグの両足をまたいでゲオルグと向かい合うと、
ゲオルグの目をじっと見た。

「なんだよ?」

不機嫌さをにじませながらゲオルグが問うと、なのはは真面目な顔をして
ゲオルグを見下ろしながらゆっくりと口を開いた。

「わたしとしてはゲオルグくんのそういうとこは好きなんだけど、
 管理局の人間としてはお義姉さんの気持ちは大事にしてほしいと思うの」

「どういう意味だ?」

ゲオルグが問い返すとなのははそのほっそりとした顎に指を当てて首を傾げ、
考えこむような仕草をしてから、もう一度ゲオルグの
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