第3話:ハイジャック事件−3
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いぶん強くなったとは思うよ。ノーヴェの指導のおかげだろうな」
「・・・ゲオルグくん、ちょっとだけ本気だったしね」
なのはは苦笑してゲオルグの顔を見上げる。
ゲオルグはなのはの肩を抱いて、長く伸びた髪をゆっくりと手で梳いた。
「ほんの少しね。 ヴィヴィオには少し悪いことをしたかな、とは思うけど」
ゲオルグの言葉になのはが首を横に振る。
「身近に高い目標があるっていうのは悪いことじゃないと思うよ。
あの子は向上心が強いからきっと大丈夫」
なのははそう言ってニコッと笑い、ゲオルグの側から離れていく。
少し離れてリビングの中からゲオルグの方を振り返ってみる。
「さ、ご飯にしよ!」
「そうだな」
ゲオルグは微笑を浮かべてなのはの言葉に頷いた。
この日の夕食はなのは手作りのハンバーグがメインディッシュだった。
ダイニングテーブルの上にはサラダボウルとご飯茶わんや汁椀も並ぶ。
なのはとの結婚からもうすぐ4年を迎えようというゲオルグにとって、
箸を使った食事は慣れたものである。
「ねえ、パパ」
ゲオルグが醤油風味のきのこソースがかかったハンバーグを箸で切って
口に運んでいるときに、ヴィヴィオが声を発した。
「・・・・・なんだい?」
ゲオルグは一旦はしを置いて口の中のハンバーグを咀嚼し終えてから
ヴィヴィオの方を向いて答える。
「あのね、お願いがあるんだけど・・・」
おずおずと上目づかいで話すヴィヴィオに、ゲオルグは微笑を向ける。
「言ってごらん」
「春休みにフェイトママたちと一緒にお花見に行くでしょ。
そのとき、学校のお友達も一緒に行っちゃダメかな?」
「パパはかまわないけど・・・なのはは?」
ゲオルグがなのはに話を振ると、なのはは落ちついてゆっくりと
口の中の食べ物を咀嚼して、味噌汁を少し飲んでから口を開く。
「わたしもいいよ。 今年のお花見は賑やかになりそうだね」
なのははヴィヴィオに向けてにっこり笑って言う。
「ありがとう!」
ヴィヴィオも両親に向かって笑顔で感謝の言葉を述べる。
「ママ・・・」
話がひと段落し全員が食事を再開しようとした時、なのはの隣に座っている
ティグアンがなのはの袖を引く。
「どうしたの、ティグアン?」
なのはがティグアンに目を向けると、ティグアンは不安げな表情を見せる。
「あのね、ジュリアちゃんはおはなみにくるかな?」
「ジュリアちゃん? フェイトちゃんが来るから来ると思うよ」
ジュリアはフェイトとシンクレアの間に生まれた女の子である。
なのはがティグアンの問いかけに答えると、ティグアンは嬉しそうに笑った。
その様子
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