暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第188話】
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
――ウォーターワールドゲート付近――


 次の日、天気は快晴。

 雲一つない真っ青な青空と共に、太陽から降り注ぐ紫外線と夏特有の熱気と熱波――。

 湿気は感じない為、不愉快な感じはないんだけど……この暑さは流石に慣れないと改めて思った。

 そして――こんな暑さの中、私は今なお並んでいるお兄ちゃんの身を案じていた。


「お兄ちゃん……大丈夫かなぁ? 熱中症にならないか心配だよ……」

「そ、そうだね。 ……ここから見る限りじゃ、凄く暑さに参ってるって感じが……」


 私がそう言うと、隣のシャルも同調し、同じように心配そうな表情を浮かべ、お兄ちゃんを見ていた。

 服装は、彼女らしく制服と同じぐらいの丈の短い黒いミニスカート、上はお兄ちゃんの好きな色の黒と赤のプリントTシャツを着ていた。

 私のシャルのイメージだと、黒というより淡い優しい色の服だと思ったのだけど――お兄ちゃんに合わせたのかな?

 ――黒は夏の日差しを直接浴びるから私は避けているけど、お兄ちゃんはそんな事はお構い無しに夏場でも真っ黒なTシャツ――それも今、どくろがプリントされているTシャツを着ていた。

 ……確か、あれって成樹君が今年のお兄ちゃんに誕生日にプレゼントしたやつだ。

 そう考えている私に、ラウラがお兄ちゃんを見たあとに私に視線を移すと――。


「……すまない美冬。 ……やっぱり嫁の代わりに私が――」

「ダメだよラウラ? そんな事しても、お兄ちゃんは喜ばないよ? ……だから、待とう? それにまだセシリアと鈴が来てないし」


 そう言うと、困ったように眉を下げるラウラ。

 それと同時に、シャルにしてもらったアップテールがゆらりと揺らぎ、太陽の光を反射するかのようにキラキラと光った。

 ……こんなときに思うのも変だけど、お兄ちゃん同様のプラチナカラーが羨ましいと思った。


「ぅ……む」


 渋々納得すると、ラウラは腕を組んでその場に立ち、並んだ行列の先のお兄ちゃんを見つめていた。

 ……ラウラの服装がIS学園の制服の為、私たち三人は嫌でも注目を浴びていた。

 ……主に、ナンパしてこようとする男の人達のグループに。

 ……事実、既にもう四組程に声をかけられていたのだけど、その度にラウラの有無を言わせない冷徹な瞳で男の人達の方が臆して諦めていくって形。

 暴力奮って追い払う訳にもいかないから、少し助かっちゃうのは内緒。


「あ。 皆、ごめーん」

「ん? 鈴だ♪ やっほー♪」

「ふふっ、後はセシリアだけだね?」

「その様だな。 ……行列も動いた様だ。 ヒルトももう少しでチケットを買えるだろう」


 鈴が私達を見つけると、
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ