第9話:オリエンテーションキャンプ(2)
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近場に誰かいるのか?まずいぞ、テントはまだ畳みきれてない!
そんな俺の様子がおかしかったのか、クスクス後ろで笑い声が聞こえる。
「何だ、何かおかしなことがあったのか」
「なーにも♪さっ、たっくん行くわよ♪」
首にさらに手が回る
ぎゅむっという擬音が聞こえるようだ。密着度が半端無い。下げ始めたレバーが再び立ち上がってくるのが分かる。後ろで鼻歌が聞こえる。
(機嫌が直ったのか。ころころ表情が変化するやつだ、困ったものだ。それにしてもレバーが下がらない。もうすぐ着いてしまうぞ。俺のレバーよ、早く鎮まってくれ。)
スタート地点に戻った俺たちは、その場で待機していた先生に事情を説明した。説明した後、俺は知子をそのまま背負って、施設近くの診療所に赴き診察を受けてもらうことにした。診察の結果、軽い捻挫であるとのことで、医師は、弾力のある包帯を右足首に巻いて患部を固定することにした。
「大丈夫そうだな、じゃあ俺はもう行くよ」
「あ…うん、ありがとう、たっくん」
俺は知子の治療が順調に行われていることを見届けてから、診療所を後にして再び先生の待つスタート地点へ戻った。うん、これで大丈夫だ。早く元気になって戻ってこいよ。
まだまだ、オリエンテーションは続くんだからな。
(次回へ続く)
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