反董卓の章
第11話 「……その時私は、盾二様についていけるのかな」
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たかしら?」
わたくしが横に目をやると、そこに佇んでいた小さな人影が拝礼した。
「はーい。西涼、馬騰の姪で姓は馬、名は岱、字は伯瞻だよ……です。馬騰の名代として連合に参加することになりました。皆様よろしくお願いします」
「馬騰さんは病で来られないとのことですわ。まあ、とりあえずは後曲で伯珪さんと同道していただきますわ。同じ騎馬隊ですし」
「御意ですー」
後は……まあこんなものですわね。
「では、明日の夜に鹵獲した糧食の配分を発表致しますから、それまでは待機をお願いしますわ。劉備さんは一刻も早く火を消す様、努力するように」
「は、はいー!」
「では、解散!」
―― 劉備 side ――
はうー……やっぱり怒られたよー
ご主人様から頭下げられて仕方なく来たけど……
まあ、しょうがないよね。
これも上に立つ者の義務だもん。
「劉表さん、すみませんでした。一緒に謝らせてしまい……」
「カッカッカ。別に構わん。儂の軍は、全く被害はないのじゃ。頭を下げるだけで、あの水関が落とせたならば安いものよ」
そう言って笑っている。
ううう……劉表さん、本当に良い人だなぁ。
なんでご主人様は『クソジジイ』なんて言うんだろ?
「まあ、あとであの小僧をからかって埋め合わせはしてもらうからの。嬢ちゃんは気にせんでよいのじゃ」
あ、あはは……
ご主人様、ご愁傷さまです。
「ではの。儂は自軍の様子を見てくる。必要があれば儂の軍でも消火させる故、いつでも声をかけるがよい」
「はい。ありがとうございます!」
そう言って劉表さんは自軍へと戻っていった。
ふう……
「劉備」
と、私を呼ぶ声に振り向く。
そこにいたのは……
「あ、曹操、さん」
「…………」
え?
なんだろ、私、睨まれてる?
「……今回の件、全部あの男の策かしら?」
「え?」
ギクッとした。
まるで私の心の中を覗きこもうとする厳しい目。
……まさか、バレてないよね?
「えっと……どういう、意味かな?」
「………………まあいいわ。虎牢関では出番がないわよ」
そう言って、肩で風を切るように去っていく。
ふええ……怖かったよう。
「やれやれ……乱世の梟雄と噂されるだけはある。凄まじい覇気だな」
あ、周喩さん。
いつの間に後ろに居たんですか?
「声をかけようとしたら、曹操に先を越されてしまった。まあ、言うことは私も同じだったのだがな」
え”!?
「ふふ……そう身構えるな。あなたに、ではない。北郷にという意味だ」
「あ、はい……え?」
ご主人様に?
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