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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第11話 「……その時私は、盾二様についていけるのかな」
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の心理を縛る。

「そうくれば、後はもう終わりです。混乱して士気の落ちた兵をまとめるために、将は必ず前線に立って鼓舞しながらの突破になるでしょう。であれば……」
「武将のいる場所が、相手にも筒抜けになる。そして――」

 華琳様が呟いた、まさにその時。

 柵の向こう――数万人の戦場に、ひときわ大きな歓声が湧いた。
 そして、各地で銅鑼が規則正しい音色を響かせる。

「――相手の場所がわかれば、一騎当千の豪傑が、それを打ち取るのも容易い」
「……はい」

 将が倒れれば、後は烏合の衆。
 兵とはそんなものだ。

 前方の防衛陣地から、各陣営に伝令兵が走るのが見える。
 まもなくこちらにも報告が来るのだろう。

 ――水関は、落ちたのだ。




  ―― 袁紹 side ――




「……それで? 水関を落としたのはわかりましたわ。まあ、ご苦労様でしたと言っておきますわね」
「……あはは」

 わたくしは、こめかみにぴくぴくと血管が浮き出るのを感じる。
 正直、怒りを押さえていますわ、ええ!
 抑えていますとも!

「ですが……何故、夜になってもあの関は燃えているんですの!?」
「ええっと……その。どうも、油をまき過ぎちゃったみたいで……」

 わたくしの前で、汗をだらだらながしているのは劉備さんですわ。
 その横では、劉表さんが目を閉じて無言のまま膝をついています。

 全くこの方々は……

「関に対して火計をするなんて、突拍子もない事をするからですわ! どうしますの! これでは先に進めませんわ!」
「い、今消火させているから! も、燃えているのは大扉とその上だけで、関の内部の火事は近隣だけで、そっちはもう消し止めてあるから!」

 どうやら劉備さんの兵が、梯子で関の土壁を越えて内部に侵入して、内側からも消火をしているらしい。
 まったく……そんなことをするぐらいならば、火など使わなきゃいいですのに!

「わ・た・く・し・は! いつになったら進軍できるのか、と聞いていますのよ!?」
「あ、明日! 明日の昼にはちゃんと通れるようにするから! 消火は朝で終わるけど、火事の熱が冷めるまでは危険だからって、ご主人様が……」
「まったく! 明日の昼ですわね! それまでに消えていなかったら罰を与えますわよ!?」
「は、はいい!」

 劉備さんが、ペコペコと頭を下げている。
 まったく、これだから成り上がりの州牧は……

「あ、そ、それで袁紹さん。関の内部に守備兵はいなかったんだけど……糧食とか、資材とか。あと、結構金品があったんだけど」
「……へえ」

 東の関としては、主要な関の一つでしたものね。
 確かに糧食だけでなく、武器を購入するた
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