反董卓の章
第11話 「……その時私は、盾二様についていけるのかな」
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いる。私ならありえないわ」
「はい、ですが……現実に目の前で起こっていることです」
丸太で組んだ柵はかなり堅固だ。
それこそ衝車でもなければ、そう簡単には打ち崩せないだろう。
すでに関から出てきた攻撃部隊が、柵を挟んで劉表と劉備の軍と戦端を開いている。
だが、その状況に変化があった。
「華琳様」
「どうしたの、秋蘭」
「あちらを……崖に沿って、二つの部隊が動いています」
秋蘭の言葉に私も顔を上げる。
確かに左右の柵の隙間から出た二つの部隊が、それぞれ崖に沿った状態で関へ……
「まさか、攻撃を受け止めさせている間に予備兵力で関を落とすつもり?」
「おそらくは……しかし、関にも守備兵が残っているはずです」
「でしょうね……というか、片方の部隊の先頭。あれは……騎馬兵じゃない?」
華琳様の言葉に目を疑う。
確かに左側には、馬の姿がうっすらと見える。
関に対して騎馬など、なんの意味が……
「ん!? 華琳様、なにか変です。特に右側の兵は……速度が尋常じゃありません」
騎馬の居ない反対側の兵。
その走る速度がまるで馬よりも早い。
一体どういう鍛え方をしているのか。
そして関の土壁にまで到達した左右の部隊は、互いに中央へ……
どういうこと?
そこから関に取り付くんじゃ……
「関の大扉の前で交差して……そのまま反対側に抜けていく? 一体何を……」
その部隊は大扉へ攻撃するわけでもなく、横にすり抜けて……いえ。
何か投げている?
「石……か? なにか投げています」
「私には壺のようにも見えたけど……何かしら?」
この状況で関に対して投げるもの……
私なら……?
関を落とすのに効果的なものは……
そう思った時、春蘭がつぶやいた。
「やれやれ、こんな状況では私達が関を落とすこともできんな」
!?
まさか!?
「春蘭!? 今あなたなんて――」
私が叫んだその瞬間。
水関の大扉に、轟音と共に火柱が上がる。
「なっ!?」
「なに!?」
「うぉ!?」
華琳様たちが、突如上がった火柱に驚きの声を上げている。
事、ここに至ってようやく私は、この柵が十重二十重の意味を持つことに気づいた。
「や、やられた……」
「? 桂花?」
「か、華琳様……貴方がおっしゃられたこと、間違いではありませんでした。あの男……今のうちに殺すべきです」
「は?」
「あの男は、必ず華琳様の前に立ち塞がります。一体何手先を見ているのか。こんな、こんなの、ありえない……」
「ちょっと桂花! どういうことか説明なさい!」
華琳様の言葉に、私はカラカラになった唇をきつ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ