第七十五話 恐怖劇の始動
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
マーレの乗っている機体はフォルムこそ以前乗っていたゲルググC型の面影を残しているが、中身は全くの別物といってもよかった。
――――RFゲルググ――――
転生者であるクラウ・ハーケンが知るゲルググの中で最も性能が高く、事実この世界においてもトップクラスの性能を誇る機体。マーレの要求に応えるほどの反応速度、シンプルに纏められた武装、あらゆるスペックが基本的に高水準となっている最高の機体といえた。
武装はビームライフル、ビームサーベル二本、ビームシールド、マーレが要求したビームナギナタ。条件によってはバズーカやマシンガン系統の武装も当然装備できる。さらに言えばリゲルグなどと違い、B型やC型などの背面武装を装備させることも可能というまさにゲルググの頂点に立つ機体といってもいい。
『撃ち落とせ、ドラグーン!』
「舐めるなッ!」
展開してきた大量のドラグーンだが、時間差を置いて攻撃してくる。ドラグーン単体が稼働する限界時間がある以上、一度にすべてのドラグーンを稼働させるのは自殺行為でしかない。いや、短期での決着を望めるというのならばその選択も有効なのだが、少なくともマーレに通じる選択肢ではないとレイは考え、ドラグーンは数基ごとに連携して攻撃してきた。
「速いな……だが!」
だが、いかにドラグーンが全方位からの攻撃が可能とはいえ、マーレの反応速度は容易くそれを上回る。ドラグーンの軌道を予測し、その攻撃を躱す事ぐらいならばいくらでも出来た。
『クッ、しかしこの軌道が読めるか!』
マーレのRFゲルググにドラグーンのビームはかすめもしない。だが、逆にマーレの攻撃もドラグーンに届かずにいた。ドラグーンの動きは一見すればワンパターンに見える。量子インターフェイスが特定のパターンを組むことによって軌道をパターン化させ、多数の人間が使えるようにしているからだ。
しかし、そういった有象無象のパイロットとは違いレイは空間認識能力を保有している。レイはわざと一定のタイミングで一部のドラグーンの動きをマニュアル化させることによってドラグーンの軌道を本来の軌道よりも不規則なものにしているのだ。
「まあ、そう簡単には撃ち落とさせないか――――」
ドラグーンの厄介とも言えるビームの弾幕は嵐のように勢いを衰わせず、マーレに対して猛攻が続く。マーレは殆ど感覚で動いていくのだが攻めに転じるには場所が悪かった。
「邪魔だ、退けッ!」
メサイアのすぐそばであるここには味方のザフトのMSや艦隊が存在しているのだ。迂闊に攻撃をすれば味方ごと巻き込む。レイもそれは同条件の筈なのだが空間認識能力の広さや精確さはレイの方が上なのだろう。全く巻き込むことなくビームを発射し続けている。
マーレも撃っても味方を巻き込まないといった場所では撃つ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ