一部【スサノオ】
十二章【覇王】
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てて立ち上がり、離脱しようとした零だが時すでに遅く。
マスティフは一直線に零を睨み付けており、その眼光に零は硬直する。
《零!》
声と同時にガンッとマスティフの頭部にジャックの放った弾丸が直撃する。
目標を変え、ジャックの居る方向へと目を向けるマスティフ。
「こっちですわよ!!」
その隙を見逃さず槍を構え、クラウリーは茂みから飛び出す。
「やっと御披露目ですわねっ!エクステンドッ、『バッファロー』!」
以前、クラウリーが倒したと言う大型ネイティブ…それはバッファローだった。
クラウリーの槍は二又に別れ、太く強靭な刃へと変化する。
「もらいましたわっ!!」
そう叫びマスティフのコアへと突き出す槍。
しかし、それは虚しくマスティフの左前足の一薙ぎによりクラウリーごと弾き飛ばされる。
「くっそ…またかよっ!」
また、肝心な場面で足を引っ張ってしまった自分へ苛立ちながらも武器を構え直しマスティフへと走り出す零。
「エクステンドッ、『ツーハンドソード』!」
先程インストールした系統変化により、身の丈を越す大剣へと形状を変化させると、一気にマスティフへと降り下ろす…が。
「くっ…!」
その一撃も通ることなく、刃は凶悪な爪により受け止められていた。
剣の重量からか吹き飛ばされはしなかったが、弾かれ地を滑る零。
《ちっ…さすが獣か…聴覚も俊敏さも半端じゃねぇな》
「げふっ…あと、堅さもですわよ…」
咳き込みながらもやっとクラウリーは立ち上がり、マスティフを睨み付ける。
グルグルと喉をならし悠然と立つその姿。
絶対的な己の力への自信からか、マスティフは攻撃に移ろうとはしない。
《予定変更だ!もうコアの採取は諦めて仕留めるぞ!》
「それも難しそうですけどね…」
エクステンドを解くと、零の武器は再び通常の片手剣へと姿を戻す。
《迂闊にいくなよ!返り討ちになるだけだっ》
「言われなくても分かってますわ!」
ジリジリと、隙を伺いながら2人はマスティフの周囲を移動し、その注意力を削ぐ。
その様子に痺れをきらしたのか、マスティフは開戦とでもいうかのように再び咆哮をあげた。
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