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フロンティア
一部【スサノオ】
十二章【覇王】
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ぁ、零たちみたいに馬鹿正直にプレイしてたら気が付かないかもな。…とにかく、早くインストールしとけ。…このマスティフ討伐にはおそらく必要になるからよ」

「何だかマスティフと戦ったことがあるような口振りですわね?貴方本当にフロンティアははじめてですの?」

「あー、ごちゃごちゃ言ってないで早くインストールしとけって!マスティフがどっか行く前に!」

ジャックに急かされ、釈然としないながらもインストールを行うクラウリー。

「さて、と。これで一応の準備は出来たわけだが…」

と、ジャックはマスティフへと目を向ける。
まだ気付かれていない様子で、マスティフは悠々と湖畔の水を飲んでいた。

「勝負は一瞬だ。あんな化け物と正面きってやりあうなんて馬鹿だからな」

「何か作戦があるんですか?」

「作戦ってほどのものじゃないが、零とクラウリーがマスティフの両サイドにまず回り込む…いいか?この段階で絶対見つかるなよ?」

「わかりましたわ…」

「そこで一気にマスティフの前両足を切って機動力を失わせるんだ」

そこまで説明され、クラウリーが納得したように手をポンと叩く。

「そしてコアを採取して、貴方がそこからコアを狙撃するわけですわね?」

「そうだ。アイツに気付かれて戦闘態勢に入られると体毛が硬化して、まずコアを安全に採取することは出来なくなるからな。…さ、理解したら行ってくれよ?こんなチャンスそうそう無いからな」

2人は無言で頷くと、気付かれぬよう細心の注意を払いながら両サイドへと向かっていった。







静寂に包まれた湖畔の脇を、身を屈め進む零。
マスティフへと目をやると、いまだ警戒することなく水を飲んでおり、気づかれている様子はない。

「なんとかいけるかな…」

そう呟きながらも、少しだけ正面から闘いを挑みその能力と自分の今の力を試したいという気持ちがあった。
不意討ちで勝ったとしてなんの意味があるのか、それだけが零の心中に引っ掛かる。

やがて、指定の位置へと到着すると、目を凝らしてやっと見える程度だが反対側にはクラウリーの姿があった。

《到着しましたわよ》

音声ボリュームを限界までしぼった腕輪から聞こえるクラウリーの声。

《OK。いいか…それじゃあ3カウントで一気にいけ…》

ジャックの言葉に零の手が汗ばむ。

《いくぞ…1…2……っ!?》

「えっ!?」

その瞬間だった…。
つい今まで穏やかに水を飲んでいたマスティフの瞳が赤く染まり、辺り一面を震わせる程の咆哮をあげる。

《なっ…なんでですの!!》

《すまん!たぶん声が聞こえてやがったんだ…すぐにそこから逃げろっ!!》

「逃げろったって…!」


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