一部【スサノオ】
十二章【覇王】
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
「あぁっ?どういう意味だよ!」
茶化すクラウリーの頭をジャックが軽く小突く。
「ちょっと!レディーに暴力は最低ですわよ!」
「最低で結構だよっ」
にらみ会う2人に笑みがこぼれる零。
ただ楽な仕事がしたいとなんとなく始めた零だが、いまは少しずつ…少しずつだが、このフロンティアをはじめてよかったと思い始めていた。
「そろそろ私も貴方の態度に堪忍袋の尾が切れましたわっ!」
そう言って槍を生成するクラウリー。
「お?やる気か?俺とPVPは無謀だと思うけどなぁ」
ニヤニヤとしながら、ジャックもまた銃を生成する。
その刹那だった。
湖畔の脇にある背の高い茂みがガサガサと音を立てる。
いち早くそれに気づく零だが、頭に血がのぼっている2人はそれに気が付かない。
「ふ、2人ともちょっとまった!」
「おわっ!」
「ちょっと、なんですの!?」
慌てて2人を屈ませると、零はその音がした茂みを注意深く観察する。
「なにかいますよ…結構大きいなにか…」
「確かに…ついにマスティフ登場ですかしら?」
「わからねぇぞ…他の夜行性ネイティブかも…」
3人の緊張をよそに、その茂みのざわめきは一層に大きくなり、次第に茂みに収まらないその体が月明かりで徐々に姿を露にする。
「マジかよ…」
強靭に発達した筋肉にそれを追おう黒い体毛。そして、その胸には月明かりを反射しコアが輝いている。
王者の風格の漂うタテガミを風になびかせ、それは現れた。
それは、間違いなくフロンティア1の覇王マスティフ。
さきに闘ったバッファローより少し小さいながらも、遠目でも分かるその力強さ。
マスティフはギラギラと輝く緑眼で周囲を警戒しながらも、ゆるりゆるりと湖畔へと歩みを進める。
「ほんとに現れるとはね…」
「どうしますの?気づれるまえに先手必勝で仕掛けたほうが良いのではなくて?」
「それはそうだが…まぁ、慌てんなよ」
そういって、零へと1枚のチップを渡すジャック。
「なんですかコレ?」
「『系統変化』のエクステンドチップだ…まぁ、俺の奢りだからインストールしとけよ。…クラウリーもな」
「系統変化?初耳ですわね…どのネイティブの性質ですの?」
「どのネイティブの性質でもねぇよ」
と、ジャックは『スナイパー』エクステンドと口にすると、ジャックの持っていた小銃は再構築を初め、スナイパーライフルへとその形状を変える。
「このエクステンドは『公式』の『課金ショップ』で手に入れたものでよ。値は張るが、エクステンド中なら同じ武器種の好きな系統に変化できる優れものだよ」
「課金ショップ?そんなものあったんですか?」
「ま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ