その先の楽園
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そう言いながらショウは右人差し指で円を描く。
「黒魔術的な思考だな。まるで『奴等』と同じだ」
「『奴等』はRシステムをただの反魂の術、『生き返りの魔法』としか認識してなかったんだよ。だけどジェラールは違う」
そこまで言った時、ショウの笑顔が何者かに取り憑かれているかのような不気味さを纏った。
「その先の『楽園』へと、俺達を導いてくれる」
「楽園?」
「ジェラールが『あの方』を復活させる時、世界は生まれ変わるんだよ」
そう言い、ショウの顔がエルザに近づく。
その笑顔の不気味さが一気に増し、それこそ霊に取り憑かれている様に狂った笑みがショウの顔を支配する。
「俺達は支配者となる」
そして、ショウは狂ったように叫び始めた。
「自由を奪った『奴等』の残党に・・・俺達を裏切った姉さんの仲間達に・・・何も知らずにのうのうと生きてる愚民共に・・・評議院の能無し共に・・・全てのものに恐怖と悲しみを与えてやろう!そしてすべてのものの自由を奪ってやる!俺達が世界の支配者となるのだァァァああアァあァーーーーーー!」
そのショウの叫びを聞いたエルザはショウを睨みつけ・・・
「がっ!」
その顎に膝蹴りを決めた。
確実に油断していたショウはゆっくりと倒れていく。
エルザは自分の手首を縛るチューブを口で無理矢理引きちぎり地に着地し、ショウに目を向けた。
「何をすれば人はここまで変われる!?」
そう言うエルザの頭には「姉さん!」と無邪気にエルザを呼ぶ、幼き頃のショウが浮かんでいた。
「ジェラール・・・貴様のせいか・・・」
エルザはいつもの鎧に換装し、怒りの表情を浮かべたのだった。
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