その先の楽園
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計画の立案者はショウだったのだ。
が、このメンバーの中でショウはミリアーナと並んで年齢が低い。
そんなショウを懲罰房送りには出来ない・・・。
「わ・・・」
泣きながら震えるショウを横目で見て、エルザが立案者は自分だという為に口を開きかける。
すると、それと同時にジェラールが立ち上がった。
「俺だ」
その言葉にショウが顔を上げ、ウォーリー、シモン、ミリアーナ、エルザは目を見開く。
「俺が計画を立案し、指揮した」
「ジェラ・・・るう・・・」
ショウが呟く。
「ほう」
男はそう呟き、ジェラールに目を向けた。
―――――――否、そのジェラールを見つめる、彼の後ろにいる・・・
「フン・・・」
緋色の髪の少女。
「この女だな」
「!」
エルザを見ていた。
突然の事にエルザは目を見開く。
「な!」
「・・・!」
ジェラールが声を上げ、シモンが驚愕の目で男を見る。
「連れてけ」
「俺だ!俺が立案者だ!エルザは違う!」
ぐい、と服の首辺りを掴まれ、連れていかれるエルザを見てジェラールが叫ぶ。
そんなジェラール達を安心させる為に、エルザは震えを堪えて必死に言葉を紡ぐ。
「わ・・・私は・・・大丈夫。全然平気」
「エルザーーー!」
ガクガクと震え、ビクビクと怯えながらも、必死に言葉を紡ぐ。
「ジェラール言ってくれたもん。全然怖くないんだよ」
恐怖に押しつぶされてしまいそうな心を押さえ、エルザは笑顔を浮かべる。
「エルザーーー!」
「大人しくしろォ!」
ジェラールが必死に手を伸ばすが、他の大人達に抱えられ後ろに強制的に下げられる。
「た、助けて・・・ジェラール・・・エルちゃんを助けて・・・」
涙をボロボロ零しながら、ミリアーナがジェラールに頼み込む。
エルザを懲罰房に連れて行こうとする大人達を、ジェラールは怒りの目で睨みつけた。
「貴様等は3日間メシ抜きだ。まぁ、懲罰房よりマシか・・・あはははっ!」
「あの時はごめんよ、姉さん・・・立案者は俺だった。でも・・・怖くて言い出せなかった。本当・・・ズルいよね・・・」
ショウが俯き、溜息をつく。
「そんな事はもういい。それより、お前達はRシステムで人を蘇らせる事の危険性を理解しているのか?」
「へぇ・・・Rシステムが何なのか知っていたのか。意外だね」
ショウを睨みつけながらエルザが言い、その言葉にショウが少し意外そうな表情を浮かべる。
「『リバイブシステム』。1人の生け贄の代わりに1人の使者を甦らす。人道を外れた禁忌の魔法」
「魔法に元々人道なんてないよ。全ての魔法はヒューマニズムを衰退させる」
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