その先の楽園
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ら一夜明け、明朝。
ナツ、ルーシィ、グレイ、ジュビア、ルー、アルカ、ティアはエルザを助ける為、楽園の塔へと向かっていた。
・・・まぁ、ティアの目標は『エルザを救う事』ではなく『シモンを一発殴る事』なのだが。
そして現在、ナツ達は―――――――――
「どこだよここはよォ!」
「ジュビア達、迷ってしまったんでしょうか?」
絶賛漂流中だった。
「ねぇナツ、本当にこっちであってるの?」
「お・・・おお・・・おお・・・」
「オメーの鼻を頼りに来たんだぞ!しっかりしやがれ!」
「グレイ様の期待を裏切るなんて信じられません」
「最初からコイツに頼ったのが間違いだったのよ」
「ごめんねー、ナツ。僕、乗り物酔いを治す魔法は使えないから・・・」
「つかよォ、ナツは乗り物苦手なんだからあんまり責めんなって」
船酔いをしているナツにルーシィが尋ね、グレイとジュビアとティアがナツを責め、ルーが申し訳なさそうに、でも聞いている方はあまり申し訳なさそうに聞こえないように呟き、アルカが宥める。
「くそっ!俺達がのされてる間にエルザとハッピーが連れてかれたなんてヨ」
「ったく・・・なっさけねー話だこりゃあ」
グレイが苛立つように口を開き、アルカが頬杖をつく。
「本当ですね・・・エルザさんほどの魔導士がやられてしまうなんて・・・」
「やられてねぇよ。エルザの事知りもしねぇくせに・・・」
悲しそうに呟くジュビアをグレイがギロッと睨みつける。
その目は怒りと苛立ちに満ちていて、そんな目で睨まれたジュビアはビクッと体を震わせた。
「ご・・・ごめんなさい」
「グレイ!落ち着いて!」
「ちっ」
ルーシィに宥められ、舌打ちをしながら船の床に座り込むグレイ。
すると、ルーが暗い表情で口を開く。
「エルザを連れ去ったあの4人・・・エルザの昔の仲間だって言ってた。僕達だってエルザの事、解ってるようで何にも解ってなかった・・・エルザの事何も知らないのは、僕達も同じだよ・・・」
ルーの言葉に全員が押し黙る。
そんな空気の中、ティアが相変わらずの無表情で口を開いた。
「『知らない』んじゃなくて・・・『知ろうと思わなかった』んでしょ」
「ティア?」
「自分達は相手の全てを知っていると『思っていた』から・・・エルザの過去を『知ろうと思わなかった』。相手の全てを知る事なんて、出来る訳ないのにね」
そう呟くティアの横顔はどこか寂しそうで儚げで、今にも消えてしまいそうだった。
思わずルーはティアの服の裾を掴む。
「結局、私達はここにいる自分以外の人間の事なんて知らないのよ。上辺を知っているようでも、中身は全く知らない・・・その人が背負ってきた過去も、辛さも、涙も、傷も、闇も・・・罪もね」
『罪
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