第五十三話〜紡がれる新しき音色〜
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路に突き当たる。
「……ここからは別れます。後は予定通りに」
「ああ」
逡巡は一瞬。即座に判断を下したライはゼストに声をかける。そしてお互いにこれが最後の会話になると確信にも似た予感を覚えるが、2人は振り向くこともなく自分が進むべき道を進んでいく。
『センサーに感、ナイトメアフレームが2機接近。このままなら、接触は二十秒後』
蒼月からの報告を受け、ライはエナジーウイングを展開せずに右手にMVS形態の蒼月を、左手にはヴァリス形態のパラディンを展開する。
そして立ち止まり見えてきた敵機を確認すると、ライは珍しく表情を苛立ちに変えた。
「ああ、解ってるさ。これは単なる僕の我が儘で、気分の問題だってことは――」
『マスター?』
ライの視界に映るのは、エアキャバルリーを装備し飛んでくるランスロットとランドスピナーで駆けてくる紅蓮弐式。2機はライを確認したのか、真っ直ぐに突っ込んでくる。
「でもさ――」
ランスロットは装備していた剣を、紅蓮弐式はその右腕を振りかぶる。
「これ以上――」
2機の攻撃がライに届くまで後数秒。
「僕の友達を穢すなよ」
2機の攻撃が破壊を生み出し、ライの立っていた場所に煙が巻き起こる。
これを誰かが客観的に見ていたのなら、その人は確実に『ライが死んだ』と認識する、そんな光景。
だが、そんなものを現実は簡単に裏切る。
煙が晴れ、そこにいたのはライトグリーンの翼を広げ、どこか神々しさすら感じる1人の王。
「舞台は用意した。ここから“私”は自分が望む明日の為に剣を取る。阻むのならば向かってこい」
そして始まる。かつて彼が起こした『レクイエム/鎮魂歌』ではなく、新しき世界を生み出す『プレリュード/前奏曲』が。
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