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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-6
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る。だが、再び引き留められてしまい、歩き出すことは叶わなかった。


「後、もう一つ。お前の首にかけているネックレスは何だ? 私はてっきり、それがISかと思っていたが」
「え? ああ、これですか。これは、ただの飾りです。ただ、大切な人との思い出のものですがね」
「そうか……それなら、無理にとは言わないが、外せるときは外すように」
「分かりました。ではこれで失礼します」


蓮は、部屋に向かって歩き出す。その途中で織斑先生に言われたネックレスを外して、手のひらに乗せる。
金メッキが施されている金属の紐に指輪が通されている。指輪の裏側には束のフルネームが彫ってある。ちなみに束は、蓮のフルネームが掘ってある指輪を左手の薬指にはめている。束曰く、婚約指輪だそうだ。


ネックレスをそのまま握りしめた後、階段を上り切り、部屋へ向かおうと廊下を歩き始めようとしたら、楯無がいきなり出てきた。
家柄なのか、気配を完全に消して人の不意を衝いて死角から出てきた。これには、蓮も驚いた。


「はぁい」
「いきなり出て来るなよ、びっくりした」
「んふふー」


どこか含みのある笑いをして蓮に見せるようにして右手を突き出した楯無。その右手には、蓮のネックレスが握られていた。
蓮はそれに驚いて自分の右手を見ると何もなかった。となると楯無は、蓮に気付かれることなくネックレスを取ったということになる。


「おい、返せ」
「いやよ。でも、返してあげる条件として、生徒会に入ってくれたら返してあげる」
「生徒会に俺が入るには、お前が簪と仲直りしてからだ」


返す代わりにと交換条件を持ち出してきた楯無。しかし、蓮に自分の悩みとなっているところをつかれてしまい、ぐうの音も出ない楯無は、大人しく蓮にネックレスを返すことにした。
それどころか、少し落ち込んでいるように見える。
蓮は、自分の言葉でそうなってしまった楯無に責任を感じたため、助けてみる。


「お前と妹の関係は、俺にはどうすることも出来ない。勿論他の人でも何も出来ない。どうせお前のことだから織斑あたりにどうかさせようとしていたんだろうが、それも無理だ。誰にも介入なんてできない。どちらかが強く勇気をもって当たらなきゃいけないんだ。簪が楯無を避けるといっても、楯無が躊躇わなければすぐに仲直りできるさ」
「……分かった。今度、やってみるわ」


そうして二人は、自分たちの寮の部屋へ戻って行った。






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