キラーパンサーに転生
13きっと忘れない
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くて、少し寒かったけど、すごく楽しかった。
学校の前の桜並木、すごくキレイだった。
掃除当番にあたると大変だったけど、桜の時期は友達と眺めながら歩くのが、楽しみだった。
他にも幸せだったいろんな記憶が思い出されて、幸せだった気持ちも一緒によみがえってすごく胸が痛くなってきて、またなんだか泣きそうになってしまったけど。
……うん、やっぱりきっと、大丈夫だ。
あたしはベビーパンサーでも、こんなにも心が動いて、感情まで一緒に思い出せたんだから。
ドーラちゃんのことだって、やっぱり絶対に思い出せる。
きっと、忘れない。
ポワンさまにお礼を言うドーラちゃんの隣で、あたしはおとなしくしてたけど、気持ちは一緒だった。
ポワンさま、ありがとう。
ポワンさまはあたしたちのこと、そんなに詳しく知ってるわけじゃないと思うけど。
それでも、見せてくれてありがとう。
待ってるって言ってくれて、ありがとう。
ベラさんがドーラちゃんに桜のひと枝をくれて、見送ってくれます。
「ドーラ!モモも、元気でね!」
うん、ベラさんも、元気で!
その桜を見て、ベラさんのことを思い出すからね!
ドーラちゃんと一緒に、きっとまた会いに行くから!
ベラさんのことも、きっと忘れないから!
ポワンさまの魔法に送られて、おうちの地下室に戻ります。
「……かえって、きちゃいましたね」
「……ミャー」
そうだね。
暗くて冷たい地下室にいると、さっきまであんなにあったかい、キレイな妖精さんの村にいたなんて、夢だったみたいな気がするけど。
でも目の前に落ちてきた桜の花びらが、ドーラちゃんが握ってる桜のひと枝が。
ずっと一緒だったドーラちゃんが、そこにいるから。
あれは夢なんかじゃ、なかったんだもんね。
「モモ!いきましょうか!」
「ニャッ!」
うん!
これからきっと、ドーラちゃんにもあたしにも、辛いことがたくさんあるけど。
でも、辛いことばっかりじゃないもんね!
どんなに辛くても、また会えるんだもんね!
「モモ。わたし、がんばりますから」
「フニャー?」
うん、あたしも頑張るけど。
今、あたしに言うっていうのは、どういう意味で?
頑張ってあたしを早く迎えにきてくれるとか、そういう意味かな?
そうなら嬉しいけど、でも無理はしないでね?
あたしのこと以外にも、ドーラちゃんにはたくさんすることがあるんだから。
あたしのことばっかり、心配してくれなくても大丈夫だからね?
また会えるなら、あたしはそれだけで。
もうすぐお別れだけど、それまで、もう少し。
一緒に頑張ろうね、ドーラちゃ
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