第百六十三話 スカウト
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ら、態と言ってみたけど、見事に想像通りの返答だったわ」
テレーゼの笑いに、シェーンコップも苦笑いをはじめる。
「成るほど、やけに立体TVでアニメをやると思ったら、此を見せる為だった訳ですな」
なぜか、捕虜収容船や収容所において散々立体TVでアニメが流されていたのは、テレーゼ監修の三国志アニメ恋○無双の華淋のセリフを言うためだったのである。シェーンコップも偶に暇つぶしで見ていたので判ったので、そのアニメのセリフで返したのである。
「そう言う事、どうだったかしら、私の迷演技は」
すっかりテレーゼのペースに乗せられたシェーンコップ達。
「フハハハ、見事な物ですな。助演女優賞ぐらいは取れますな」
「あら、主演じゃないのね」
「溜が大きすぎますからな」
「なら良いわ」
「それが殿下の地ですかな?」
「フフフ、そうよ此が私の地なのよ。全く品行方正な皇女を演ずるのは肩がこるわ」
テレーゼの言動にリンツは完全に唖然とし、ケスラーは益々頭を抱え、オフレッサーは“”ガハハハ”と笑っていた。
「其れはお気の毒様ですな」
「まあ、仕方が無い事なのよ、銀河帝国皇女に生まれたからには二百五十億の臣民を護る義務が有るのだから、臣民の生活なんぞ関係無く贅沢しまくる連中なんぞクソ喰らえよ」
余りの柄の悪さにさしものシェーンコップも驚愕する。
「殿下は、小官等に愚痴を言いに来たのですかな?」
「ああ、まあ愚痴と言えば愚痴ね。ねえケスラー、オフレッサー、今の話が外に漏れたら、私は明日にもヴァルハラ行きよね」
テレーゼからいきなり話を振られたケスラーがギョッとしながら否定する。
「殿下を危険な目にお合わせするわけございません」
「殿下、いざとなれば、小官と装甲擲弾兵全軍が御護り致しますぞ」
オフレッサーは真面目な顔で応対する。
「二人ともありがとう、シェーンコップ私には共に進む事の出来る沢山の仲間がいるのよ。貴方達にも仲間はいるけど、向こうに心を落ち着かせられる仲間がいるのかしら?」
テレーゼの問いかけに、シェーンコップは答えられなかった。何故なら同盟では帝国からの亡命者を蔑み、信用しない風潮が強いからである。事実シェーンコップ自身も幼少時、祖父母に連れられ同盟へ亡命したが、その際に汚い物でも見るような入国管理官の目を今でも在り在りと覚えており、その後も何かにつけて差別されてきた記憶があるのであるから。
シェーンコップが葛藤している姿を見て、テレーゼはリンツに話しかけた。
「カスパー・リンツ、貴方は絵画や歌などの芸術が得意なそうね」
リンツは自分の事を知っているテレーゼに驚く。
「はあ」
驚きで生返事になる。
「私の知り合いで、芸術に詳しい姐さんがいるんだけど、リンツならきっと気に入られるわね
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