暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百六十三話 スカウト
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


その少女は、シェーンコップとリンツを見て、スカートの裾をチョコンと摘んで貴婦人らしく挨拶を行った。

「ワルター・フォン・シェーンコップ、カスパー・リンツ、始めて会うが、妾はテレーゼ・フォン・ゴールデンバウム、銀河帝国皇帝フリードリヒ四世の娘を一応しているつもりよの」

テレーゼの言いようにシェーンコップでさえ驚く。ましてやリンツは驚愕しているのか目を見開いて何も言えない状態で有る。

「ガハハハ、流石は殿下ですな」
テレーゼの挨拶がツボに入ったのかオフレッサーが笑い始める。

「殿下、お戯れが過ぎますぞ」
ケスラーが右手で額を押さえながら渋い顔で諫言する。

そんな事は、何処吹く風とテレーゼはケスラーに話す。
「叛乱軍にこの人有りと言われた、ひねくれ者で有名なワルター・フォン・シェーンコップに会うのであれば、このぐらいの挨拶は必要であろう」

皇女らしからぬ余りの言いようにシェーンコップもリンツも影武者かと疑う。
「同盟軍ローゼンリッター副連隊長ワルター・フォン・シェーンコップ中佐」
シェーンコップは、取りあえず様子を見ようと官姓名だけ答える。

「同盟軍、ローゼンリッター連隊付きカスパー・リンツ大尉であります」
シェーンコップに比べリンツは当たり障りの無いように答える。

シェーンコップの目の奥にある観察しようとする光を感じながら、テレーゼはニヤッとしながら話しかける。
「判るぞシェーンコップ、妾が影武者ではないかと考えているので有ろう。しかしの残念ながら妾のような危ない人物の影武者なんぞになる奇特な御仁は生憎と帝国中探しても一人として居ないのでな」

自傷しながら毒を吐くテレーゼにシェーンコップも鼻白む。
「殿下」
ケスラーが再度苦言を述べるが其れを右手で止める。

「事実を言ったまでよ。銀河帝国皇女などと言う仕事は命が幾つあっても足らん物でな」
その言いように、シェーンコップは益々ニヤリとする。
「で、その皇女殿下が、小官の様なひねくれ者にいったい何の御用ですかな?」

シェーンコップの言いようにテレーゼニヤリとした後、腰に手を置いて踏ん反り返るような姿をし、恋姫○双の華淋の様な命令口調で話し始めた。
「シェーンコップ、そなた私の物に成りなさい」
いきなりの命令口調にシェーンコップは些か面食らいながらも、直ぐさま応える。
「だが断る!」

二人の受け答えを聞いて、ケスラーとリンツはギョッとした顔をするが、オフレッサーはニヤリとしているだけである。

シェーンコップの返答を聞いてもテレーゼは怒りもせずに急に笑い出した。

「フフフフアッハハハ、そう言うと思っていたわ、やるわね。ひねくれ者のシェーンコップが頭ごなしに命令されて言う事を聞くわけが無いと判っていたか
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ