プロローグ
真の世界
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そして彼女が学校に来なくなってから数日後。
学校にて…
「おはようございます。先生。」
「どうした樂間?」
「あの…」
「ああ、樋泉の事か。彼女はだな、なんと言えば良いか、えっとだな…。」
「まさか、いなくなったんですか!?」
「あ、ああ、そうだ。彼女の家に連絡をしてみたんだが、数日前、家に帰ってからその次の日の朝にはもういなくなっていたそうだ。」
いやまさか、そのようなオカルト的な事が起こる筈も無い。この島はとても狭いため、皆が普段通りの生活をしていればまずどこかで人目につくようになっているのだ。
ではいったいどこへ行ったというのだろうか?よくは分からないが、そのようなオカルト的な事が起こりうるとすれば、心当たりは一つしか無いだろう。この前であった、黒い人影、鍵、そしてそれが彼女の手に渡った時に鍵が消えた事。それらが脳裏にフラッシュバックした。
「心当たりがあるので探してきます」
「おい樂間!?どこへ行く!」
学校を抜け、一目散に僕が目指した場所は…
霧の立ちこめる山奥にて、樂間は叫んだ
「おい!出てこい!」
すると以前聞いた声が響き渡る。壁になるものなど何一つ無い筈なのに、その声は反響しているためか、どこから聞こえているのかは見当も付かなかった。
「お前が再びここに来る事は分かっていた。これからお前が何と口にするかも分かっている、実に、退屈な話だ。そうは思わんか?」
「嘘をつくな。人の思考を完全に予測する事など不可能だ。」
「ほう、面白い結果だ。彼女が君に頼み事をしただけの事はある。では、あえて問おう。お前は何をしにここまで来た?」
「樋泉あゆをどこへやったのかを聞きに来た。」
「私が直接何かをしたという事はない。全てはこの世のなさった事だ。私が何をしたか、か。強いて言うなら彼女が私の世界に入る事を許可した。ということくらいだな。」
妙にじれったい言い草だった。やはりこいつは明らかに僕の事を見下している。僕は憤りを噛み締めながら。
「お前が彼女を連れ去ったのか」
「連れ去った?言っただろう。許可しただけだ。彼女は、そう、彼女自身の意思で、私の世界に入る事を望んだのだ。」
こいつは何を言っているのだろうか。さっきから言っている事が滅茶苦茶すぎる。彼女はこいつの言う世界の意思でそちら側の世界に行ったのか、それとも彼女自身の意思でそちらに行ったのかがまるで分からない。と、考えたその刹那、頭を強烈な頭痛が襲った。
「っ!?」
「成る程成る程、実に面白い。やはりお前には素質があるようだ。」
僕は、激しい頭痛に襲われながらこう言った。
「僕も、その世界とやらに連れてゆけ。」
「それは無理だな。お前と彼女では意識のフォーマットが違いすぎる。」
「どういうこと…だ?」
「それは自分で
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