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戦国異伝
第百四十四話 久政の顔その十五
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「それならばな」
「あの者達のこおtもですか」
「調べられたら調べよ」
「してそのうえで」
「見つけ次第斬れ」
 そうせよというのだ。
「ああした妖人共は放っておけぬ」
「ですな、絶対に」
「だからじゃ、斬れ」
 見つけたならば躊躇せずにというのだ。
「首を岐阜まで持って参れ。よいな」
「では」
「後、そろそろじゃな」
 信長はここで話を変えてきた、今度の話はというと。
「城を築くか」
「近江の南に」
「観音寺のな」
 あの城の辺りにだというのだ。
「築くか」
「ではそのことは」
「暫くして皆を集める」
 織田家の主だった家臣達をというのだ。
「してそのうえで細かいことを決める」
「ですか」
「前から考えておったがな」
 近江の南、琵琶湖のすぐ傍に城を築くことをというのだ。
「観音寺の辺りならば都にもすぐじゃしな」
「それが大きいですな」
「岐阜は東に寄り過ぎておる」
 今の拠点のこの城はというのだ。
「武田に備えやすいが万が一陥ちても危うい」
「だから近江ですか」
「しかも近江ならば上杉も観ることが出来る」
 上杉謙信、信長は彼のことも忘れていなかった。
「だからじゃ」
「近江ですか」
「西にも行きやすいしな」
 この利点もあった。
「だからこそじゃ」
「確かに。近江ならば」
「よい場所じゃな」
「それがしもそう思いまする」
 森も信長に答える。
「ではそれがしは城が出来るまでの間」
「頼むぞ」
「畏まりました」
「さて、朝倉は倒し浅井も戻った」
 当面の敵は倒した、何とか。
「ではじゃな」
「次はどの相手でしょうか」
「武田か上杉か」
「どちらかですか」
「うむ、そうなるであろうか。しかし」
「こちらから攻めることはですね」
「それはせぬ」
 武田に対しても上杉に対してもだ、信長はこちらから仕掛けることは考えていなかった。それは何故かというと。
「どちらもあまりにも強いわ」
「だからですな」
「うむ、しかし西には毛利がおりじゃ」
「山中鹿之介殿という御仁が」
 森はこの者の名を出してきた。
「今困っておるとか」
「尼子の重臣だったな」
「はい、尼子氏も遂に」
 滅んだ、森は信長にこのことを告げた。
「それ故に」
「尼子を再興させたいのじゃな」
「どうされますか」
「毛利は天下を望まぬと聞くが」
 それでもだとだ、ここでこう言う信長だった。
「しかしあまり強過ぎてもな」
「困りますな」
「まずは会おう」
 その山中にというのだ。
「それかじゃ」
「わかりました、それでは」
 このことも決められた、越前を手に入れ長政を再び迎え入れた信長だったがそれで止まらなかった、むしろそこからさらに政を進めるのだった。

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