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ヘタリア大帝国
TURN105 スカーレット=東郷その六
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「そこから彼等の首領に収まりました」
「つまり船に乗り込んで来た海賊を全員その格闘術でやっつけたんだね」
 南雲がここまで聞いて言う。
「そういうことだね」
「はい、そうです」
 メイドはこう話す。
「尚私の名前はコロネア=ビショップといいます」
「あんたも生きているなんてね」
「お久し振りです、キャロルお嬢様」
 そのメイドコロネアは微笑みキャロルに一礼する。
「お元気そうですね」
「ええ、お姉ちゃんもね」
 キャロルは今度はバツの悪そうな顔でスカーレットに言う。
「元気そうね、ただ」
「ただ。何かしら」
「本物ってことはわかるわ」
 二人共そうであることは、というのだ。
「けれど何かおかしいのよね」
「?そういえばそうだな」 
 アメリカもキャロルの言葉を受けて気付いた。
「記憶が戻っているのはどうしてなんだ?一旦失ったのは事故によるものだとわかるが」
「そうでしょ、記憶が戻ったのなら日本かガメリカに戻ってるでしょ」
「それがどうしてなんだ?」
「お姉ちゃんひょっとして」
 モニターに映るスカーレットをまじまじと見る、コロネアもだ。
 そのうえで彼女がこれまで会ってきたリディアやマンシュタイン、リンファ達に彼女の今の赤い軍服を見て言うのだった。
「ドクツのデザインに似た軍服だけれどね」
「赤だな」
「レッドファランクスだしね」
「まさかスカーレット、君は」
「カテーリン書記長に会ったの?」
「ソビエトを追い出される時に」
「それがどうかしたのかしら」
 平然とした返事だった、これに全てが出ていた。
「一体」
「しかもドクツの軍服を着ているとなるとだ」
 今度はレーティアが言う、彼女はここからその灰色の頭脳を働かせて言う。
「ヒムラーと、何処かで会ったか」
「よい方ですね」
 今度はコロネアが答えてきた、にこやかとした笑みだがそこにあるものはかなり不気味だ。
「レッドファランクスを乗っ取り指揮をしだした頃にお会いしました」
「あの男の士官学校中退以降の経歴は不明なところが多かったが」
「その間にレッドファランクスとも接触していたのね」
「その様だな」
 グレシアとも話しつつ分析する。
「それで、なのね」
「どうやらな」
「これは危険よ」
「そうだ、カテーリンとヒムラーはどうやらだが」
 これはレーティアが直感から感じていることだ。
「人を操る能力を持っている」
「ええ、それでよね」
「どうやら、操られているな」
「間違いなくね」
「お姉ちゃん、今共有主義を信じているわね」
 キャロルはきっとした顔になりモニターの姉に問うた。
「そうよね」
「この軍服の色でわかるわね」
「やっぱりね、だからなのね」
「共有主義こそが世界を幸せにするのよ」

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