妹達
Trick54_超ピンチですよ?
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ことが余裕の表れだとしたら、その余裕をついてみるか)
腰を落とし、スキルアウトが持っていたスタン警棒を構える。
「いきますよ」
「別にいつでも」
少女は変わらずに返事をする。
足に力を入れる。A・Tを使い地面を踏み締める。
発生するのは超小型モーターながら原付バイクと同等以上の力を持つ推進力。
自重がなく、あるものは推進力から生まれる超加速のみ。
それを近距離で行えば、追う事はできない。
狙うは左側に回り込んでからの打撃。
「速い」
(良し! 反応が追いつけていない)
超加速により、予想通りに回り込む事に成功した。
僅かながら少女も反応し、左腕を信乃に向かって伸ばす。
スタン警棒のスイッチを入れ、それを少女の腕に突くようにして攻撃をする。
振るうのではなく突く。それが信乃が最低限の手加減による攻撃だった。
だが、それは意味を持たない。
手加減も、攻撃すらも意味を持たない。
それに信乃が気付いたのは、攻撃が当たる直前だった。
バキャ
「な!?」
警棒が拉げて折れた。例えコンクリートの壁に対しても、今の突きであれば
信乃の手が痺れるだけで警棒には損傷は無いはずだ。だが、完全に折れた。
「速くても超無駄です」
防がれたからではない、攻撃されたからだ。少女の能力によって。
(俺の攻撃に対して何かしらの反応があると思ったけど、能力が発動した瞬間は無かった!
能力を発動させたんじゃない、既に発動していた。常時発動型の能力か!)
気付いた瞬間に手を引いた。
「ヤバイので、ここでは逃げさせてもらいます」
「逃げられると思うのですか?」
少女が腕を振る。その対象は信乃ではなく、信乃たちが入ってきた入口だ。
たったそれだけで入口は完全に破壊された。
「これで逃げ道はなくなりました。超ピンチですよ?」
布束砥信の救出に立ちはだかったのは、都市の暗部の人間。
≪アイテム≫の構成員。大能力者(レベル4)の窒素装甲
絹旗 最愛 (きぬはた さいあい)
つづく
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