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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
妹達
Trick54_超ピンチですよ?
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は始められる前であり、丁度注射針を持って準備しているところだった。

美雪はその2人に向かって催涙ガス缶を投げる。

プシュー、と白い煙が瞬く間に部屋の奥へと広がっていく。

「な、なんなの!?」

持っていた注射針を落とし、ガラス管が割れる音と驚く女性の声が聞こえたが、間もなくしてバタリと人が倒れる音がした。

その間に信乃は、入口近くにいた護衛の2人に突撃した。

2人の内、1人はチンピラ、スキルアウトと思われる風貌の男。
恐らくはこの仕事だけの使い捨ての人員の可能性がある。

もう一人は信乃が能力者と予想していた人物だが、予想と違っていたのは
まだ中学生ほどのパーカーを被った少女ということだった。

能力者は年齢に絶対比例していない事は、信乃も知っている。
そして世界や組織の裏側でも実力さえあれば、性別や年齢に関係なく現場に出る事も承知している。

だが、やはり少女と呼ばれる年代の女性が、この場にいる事に良い気持ちはしなかった。

(俺のフェミニストも考えものだな。こんな場面で毎回、心が揺らいだら霧が無い)

女性に優しくと育った信乃にとっては、多少なりとも苦痛を感じる。
もちろん、命を掛けた場面では躊躇などないが、それでも多少の苦痛が隙になる事もある。

「なんだお前!?」

「さぁ? 誰でしょう?」

信乃が出した隙に、驚きから回復したスキルアウト風の男が腰から武器を取りだした。
振ると適度に伸びたそれは、折り畳み式の警棒。手元のスイッチを操作すると
パチパチとした電気の音が鳴っているのでスタン警棒だろう。

信乃は殺気を放つ。その一瞬をおいて、突撃を仕掛ける。

「く、くらえ!」

殺気を放たれた男は反応し、警棒を振る。
だが、それは信乃の計算の内。殺気と突撃のタイミングを一瞬ずらしたのは
そのためだ。

振った警棒に合わせて、警棒の持ち手の端を掴む。
間合いは人間にとっては遠いが、A・Tには充分に有効範囲。

持ち手は当然、電気を通さない。そこを掴み、一本背負いの要領で投げる。

「ほい、一本。さて、お嬢さん。あなたも相手になります?」

「その丁寧な話し方、超ムカつきます」

少女はパーカーを外して信乃を睨みつけた。

(さて、どう戦おうかな?
 戦闘で厄介なことベスト5に入るのが、相手の能力が解らないってことだよね)

スキルアウトとは違い、すぐには突撃しない。

性別:女性。年齢:10歳前後。体格:華奢。武器:所持なし。

しかし、これから開始される戦闘に緊張を感じない。
戦闘が日常と化している少女、と信乃は予測した。

(シノブさんや美雪の事があるし、相手の能力を調べる時間なんて無い。
 緊張していないって
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