暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
A's〜オリジナル 日常編
45話:冬といえば雪
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雪を眺めながら、旅館の自販機から拝借した炭酸飲料を口にする。

「ん……ふむ、やはり炭酸はマッ○が一番だな」

弱炭酸は偉大だ、と呟きながら、トイカメラを構える。そのレンズに捉えるのは、半円に光る月。
降りしきる雪も共に納めながら、シャッターを切る。

「ん〜、雪の中に映る月もまた、味があるな〜」

カメラを降ろし、再びペットボトルを持ち上げ口の中へ流し込む。

「ふ〜…」
「……あれ、士?」

口からペットボトルを離しながら、息を吐く。するとそこへ背後から声をかけられる。
背後へ顔だけを向けて、その声の主を見る。そこにいたのは、いつもは二対に分けているその金色の髪を、今はまっすぐ降ろしているフェイトだった。

「あぁ、フェイトか。どうした、こんな時間に?」
「それはこっちの台詞だよ、士。いつもこんなに遅くまで起きてるの?」
「んにゃ、いつもはもうちょい早いさ」

今日はいい月だったから、ついな。そう続けて俺はカメラを構え、そのレンズで今度はフェイトを捉え、シャッターを切る。

「…どうだもう一枚。今度は月と雪を背景に」
「いいね。お願いしていいかな?」
「勿論。こっちから誘ったんだからな」

そう言いながら縁側から立ち上がり、フェイトと立ち位置を入れ替える。

「それじゃ…」
「うん」

俺がそう言うと、フェイトは笑顔を見せる。同時に、カメラのシャッターを切る。

「うん、いい笑顔だ。意外とストレートも似合うんじゃないか?」
「え?そ、そうかな…?」

フェイトの笑顔が撮れた事に満足し、俺は再び縁側に腰をかける。
それを見てフェイトも、俺の隣に腰を下ろした。

「…どうした?眠れないのか?」
「ううん、ちょっと目が覚めちゃっただけ」

言いよどむフェイトに「そうか」、とだけ漏らして、ペットボトルに口を付ける。

「…飲むか?」
「え?」

一口飲んで、フェイトに差し出す。フェイトは意表を突かれたように声を上げる。

「無理にとは言わないが…」
「あ、えっと…それじゃあ…もらいます…」

弱々しく俺の手にあるペットボトルへと手を伸ばし、受け取る。両手で大事そうに持ちながら、何か変な雰囲気でペットボトルを見つめている。

「…大丈夫か?」
「ふぇ!?あ、だ、大丈夫大丈夫…!」

フェイトは慌てふためき、声を荒げる。だがすぐに先程の状態に戻る。

「じゃ、じゃあ…」

恐る恐る、といった様子で炭酸飲料を喉に通す。

「んっ……これって…」
「あ、そうか。お前炭酸は初か?」
「う、うん…」

何か変に引っかかる感覚があったか、口に手を当てている。まぁあまり炭酸に慣れてないと、そうなるわな。

「あ、ありがとう…」
「おう」

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