暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
A's〜オリジナル 日常編
45話:冬といえば雪
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は頬を膨らませた。
「だって上手く滑れないんだもん…」
「何年も滑ってるのにな」
カッカッカ、と笑いながら言った俺の一言にさすがに怒ったのか、頬を膨らませたまま今度はそっぽを向いた。はぁ…それぐらいで怒るなよ。
「なのは」
「……何…?」
「ほい。これやるよ」
そう言って俺はポケットの中から取り出した物をなのはに差し出す。
なのははそれをむくれたまま受け取り、視界に入れると少し驚いた様子でこっちを見て来た。
「チョコレート?」
「あぁ。いやだったらアメもあるが?」
ポケットの中からさらに取り出したアメを見せる。なのははそれを見るなり不思議そうに首を傾げる。
「なんでアメとかチョコを?」
「スキーとかスノボーって意外と体力持っていかれるんだよ。だからチョコとかアメを携帯しておいた方がいい。特に、体力にあまり自身のない奴は」
「むっ…」
持ってないなら数個持ってろ、と言いながらチョコとアメを数個渡す。
「ちゃんとポケットに入れて、時々食っとけ。主にリフトの上とかでな」
「ふ〜ん……士君のは?」
「まだ十分ある」
なのはは納得した様子で受け取った菓子をウェアのポケットに仕舞い、一つのチョコの袋を開け口に入れる。
「…ありがとう、士君」
「どういたしたしまして」
少しは機嫌をよくしてくれたらしく、小さく礼を言ってくる。俺はウェアの下からトイカメラを取り出し、チョコを食べるなのはを撮る。
「やっぱ持って来てたんだ、それ」
「はやてに頼まれててな。撮ってきたやつ欲しいからできるだけ多く撮っておいてくれ、てな」
「そっか」
そう、今回の旅行には、月村家とバニングス家、俺を含めた高町家、フェイト、エイミィを含むハラオウン家の四家族合同の旅行となっているが……ヴォルケンリッターを含む八神家は不参加となった。はやて曰く自粛らしい。
「はやてちゃんも来ればよかったのにね」
「まぁ、本人達がああ言ってるんだ。しかたねぇだろ」
闇の書事件の後、はやてとヴォルケンリッターの四人は、クロノの計らいで管理局から保護観察を受ける事になった。管理局への従事、それが五人に提示された条件だ。
それに向け、五人はそれぞれ面接や試験などをこの年末年始に受けており、色々と忙しい身だったりする。
「それに、落ち着いて来たらまたやればいいんだからな、旅行ぐらい」
「そうだね。今度ははやてちゃんも誘って、また温泉でも行ければいいね」
そうこうしている間に、リフトはもうすぐ終着。俺はバーを上げてなのはを促す。
「それじゃ、今度はなのはに合わせて滑るかね」
「え、いいの士君?迷惑じゃない?」
「何を言うか。別にこんぐらいのことを迷惑に感じる程、俺は心が狭いつもりはない
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