番外編
再開のダイシー・カフェ
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碧眼、ゲルマン系の外国人顔のを生かした特技。
もっとも、彼女らのことを俺はよく知っている。
だが、向こうは俺のことを(少なくとも外見は)知らないはず。
しかしそんな俺の対応に、
『英語がお上手なんですね。でも、日本語も喋れるのでしょう?』
手を掴んできた方とは別の、ロングヘアーの少女……アスナが英語で対応してきやがった。あの世界でいた頃から頭はいいと思っていたが、どうやら勉強のほうも英語が咄嗟に喋れるくらいにはできるらしい。あのSAO世界と同じ……いや少し成長した、美少女をそのまま描いたような顔ににっこりとした笑みを浮かべて、美人特有の迫力で俺を見据える。
うん、怒ってるな。
流行のジャパニーズでいうなら、「おこ」だな。
そして。
「あ、ア・ン・タね〜!? ふざけてんじゃないわよ!!!」
もう一方……リズベットのほうはもっと直接的に感情爆発、激おこプンプン丸もかくやという勢いで叫んできやがった。SAO時代のベビーピンクのショートヘアでこそないものの、その顔は紛れもなく『彼女』行きつけの鍛冶屋の店主のものだ。顔にみるみる赤みが差し、その目が湿り気を帯び、掴まれた腕に力が籠り、
(あ、やべっ)
と思った直後、パンっ、という小気味のいい音。
直後に走る、頬に軽い痛み。
「バカッ!!!」
同時に、涙交じりの声が店内に響く。
(ああ、懐かしいな……)
そういえばリズベットとは、初対面もこうだったな。訳も分からず胸元引っ掴まれて引っ張り上げられ、そのまま頬を引っ叩かれたんだった。覚えてはいるが、それをもう随分昔のことのように感じることに、自分のことながら苦笑が漏れる。
「い、生きてるなら生きてるってっ、そ、それにっ、コンバートにも名前は無いしっ!!!」
「いや、連絡のとりようがないだろそれは…」
「必死に探した『シド』ってプレイヤーはっ、外見違うしっ、」
「ああ、あれサブアカでな……」
「あーっ! もーっ! なんなのよアンタはーっ!」
「ちょ、ちょっとリズっ!」
再びビンタしようと動いたリズの手を、アスナが慌てて抑える……が、苦笑交じりのその表情はどうにも真剣味に欠けている。そもそも本気で止めようと思っているなら最初の一発から止めてくれていただろうに。まあ、仕方ないか。『彼女』の親友でもあったリズベットに対して一言も連絡を取ろうとしなかったどころか、逃げ回っていたのだ。怒られて殴られるくらいされても文句は言えない。
だが、救いは意外なところから現れた。
「そのへんにしといてやれよ、リズ。俺も一発だったからさ」
やれやれと思って顔をしかめた俺に、後ろの入り口から声が響いたのだ。どことなく希薄
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