一部【スサノオ】
十一章【ティティ】
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きた零にとってこの状況は苦痛以外のなにものでもなかった。
「お…」
そこへ目に飛び込んできた1人オドオドしている少女。
明らかに初心者だが、誰にも何も聞かないというわけにもいかず、情報収集をしたという既成事実を作るためにも零は少女へと歩み寄る。
「あの、ちょっといいですか?」
「えっ…あ……はい」
突然の零の出現に驚き若干後ずさる少女。
その姿に親近感を覚え少し気持ちが楽になる。
黒い流れるような綺麗な長髪に、首もとに羽飾りのついたワンピースのその少女。
顔立ちも少しタイプだったこともあり零の頬が若干赤くなる。
「マスティフっていうネイティブについて情報集めてるんですけど…何か知らない……ですよね?」
知っているはずがない。
そう思いながらも聞いた零だったが、返ってきたのは意外な返答だった。
「えと…多分草原から西にある湖畔に……よく水を飲みにくる…みたい」
「え?」
「でも…結構『照れ屋な子』だから…会えない……かも?」
恥ずかしいのか、零を直視出来ないながらも少女は一生懸命に話を続ける。
「でも…夜ならちょっとだけ会える可能性がある……かな?」
「あ、あぁ夜ですね…」
知っていたことよりも、モジモジするその少女に心を奪われ零の頭には言葉が入ってこない。
「うん…あの……あなたも何処かのギルドにはいっ……はってるの…かな?」
なんだ、ギルドの勧誘で緊張してたのか…。
それどころじゃないと分かっていても…それにしても、モジモジし言葉を噛みながら一生懸命な少女に零はさらに心を奪われて行く。
「いや、ギルドには入ってないんですけど仲間が居て…」
「そっ…そっか……よかったら…私達のギルド入って……ほしいな…なんて」
可愛さに地団駄を踏みたくなる。
だが、それを我慢しながらも零はなるべく冷静に見えるように…
「あぁ、じゃぁ、ちょっと仲間にも聞いておきますね」
「ありがとう…じゃぁ私のコンタクト番号…渡しておくね」
「えっ…あっ…は、はいっ」
思わぬ収穫に声が裏返る。
フロンティア内で離れた場所にいるユーザーて話す為に必要なコンタクト番号。
それはいわゆる携帯番号と同じで、零が初めて女性から番号を教えてもらった瞬間だった。
「じゃぁ…私勧誘頑張らなきゃだから…」
「あ、はい!勧誘頑張ってください!」
零のその様子にニコッと笑い返すと…
「私…ティティ……」
「あ、俺は零です!」
「零…さん……ありがとう…登録したよ」
そういって、控えめに手を降ると人混みの中へティティは消えていった。
ティティが完全に見えなくなると零は…
「よっしゃぁッ!!」
テ
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