一部【スサノオ】
十一章【ティティ】
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く…。
「いいか?マスティフの厄介なとこは強さなんかじゃなくて、生息地も出現場所も分からないとこなんだよ。わかるか?」
「だからなんですの?」
「あぁぁ…わかんねぇかなぁ!時間の無駄なんだって。下手すりゃフロンティア3にいくほうが早いレベルなんだよ。またいつあの化け物が現れるのかも分からない状況でそんな暇ないって…」
「だからこそですわよ?マスティフのエクステンドを手に入れておけば心強い武器になるんじゃなくって?」
苛立ちで頭をグシャグシャ掻き回すジャックと依然譲る気配もないクラウリー。
その険悪なムードにオドオドしながらも零は口をひらく。
「あの、じゃぁ取り敢えず聞き込みして無理そうならフロンティア2に進むっていうのは…」
「はぁ…零もクラウリー派か?」
「いや、そういうわけじゃ…」
ジャックは頭を抱え項垂れると…
「わかった。その代わり2日だ!2日以内に片付けるぞ!」
それがジャックの最大の譲歩だった。
いや、むしろ今の状態を考えるならば、スサノオの情報収集や戦いに向けての準備を進めなければならない現状ではジャックにとって2日という期間は痛いものであり、破格の条件だった。
「十分ですわっ!」
「だろうな…」
ウキウキしながら帰路につくクラウリーを見ながらため息を一つ。
「ジャックさんって優しいですよね」
「はぁ!?」
にやけるながら言ってきた零の言葉にジャックの声が裏返る。
「本当ならこんなことに付き合ってられないのに…わざわざ付き合ってくれるなんて」
「……零みたいなメンタル弱者とクラウリーみたいな馬鹿のお嬢様かぶれなんて危なくて頬っておけないからな」
照れを隠すように顔を背けると、ジャックもまた歩き出す。
「メンタル弱者、か…」
ジャックの言葉を噛み締めながらも、零は2人の後を追った。
※
フロンティア1『中央広場』。
そこはフロンティア1で最もユーザーの集まる場所だった。
『ギルド』というユーザー同士のコミュニティーへの勧誘を行う者や零たちのように情報収集に勤しむ者など、そのユーザーの幅はフロンティア1から4に至るまで多種多様。
マスティフの情報を集めるのにはまさにうってつけの場所だった。
「さ、手分けして情報を集めますわよ?」
「はいはい…」
「うわぁ…俺そういうの苦手なんですよね」
ノリノリのクラウリーとはうってかわりテンションの低い2人。
それはそうだろう。実際わざわざマスティフと闘いたがっているのはクラウリーだけなのだから。
「さて…どうするかな……」
1人人混みの中立ち尽くす零。
情報収集と言われても、リアルな人付き合いを避けて
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