第一章 平凡な日常
27、今日はなんの日?
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11月2日。
今日はある人にとっての1年に一度の大事な大事な記念日です。
言わずともわかるだろうが、我らが主人公霜月要の誕生日なのだ!
*パッセロの雑学コーナー*
要の名字である『霜月』は、昔の暦で『11月』を指す言葉なのである。
*おわり(^ー゜)ノ*
だがしかし、当の人は全く知らない。
なぜならば覚えていない、否、覚える必要がないからだ。
なにせ彼女を祝ってくれる人などいるわけもなく、最後に祝ってもらったのは9年前だからだ。
……と思っていたのも去年までの話。
今年は今年でちゃくちゃくと準備が進んでいた。
†‡†‡†‡†‡†‡
「本当に喜んでもらえるかな?」
赤毛の眼鏡の少年がボソリと呟く。
その手には、家飾りを付けるための紙の輪があった。
「うん、きっと大丈夫」
それに答えるのは、黒髪の少女。
手にはやはり、同じものが握られている。
少年の名前は入江正一、少女は三千院凪。
二人がいるのは要の家なのだが、本人は風紀委員の仕事で留守にしている。
ではどうやってここに入ったのか。
実は、凪が預かっている合鍵でこっそり入ったのだ。
いわば、不・法・侵・入☆
そして彼女の誕生日パーティ用に家を飾り付けているのである。
「要に怒られないかな?」
「大丈夫……だと思う」
自信はないらしい。
「あとは料理だけど……」
「あっ、僕も手伝うよ」
そして二人は、キッチンに向かって姿を消した。
……本当に不法侵入だよね?
†‡†‡†‡†‡†‡
ったく……今日は日曜だっつーのによ、風紀の仕事だとかやってらんないぜ。
今日は並盛と隣町である黒曜の巡回。
まぁ、書類整理をやらされるよりかはいいか。
「それにしても、もう11月か……。並中に入学してから半年以上経ったんだな」
冬が近づき晴れ渡る空を見上げる。
たかが半年されど半年。
たったこれだけなのに何でこんなにイベントがあるんだ?
山本と仲良くなるだろ?
凪や入江と仲良くなるだろ?
チビ介に目ぇつけられるだろ?
Prrr Prrr
「はいよ、どーしましたか委員長殿」
『君ふざけてるの?』
「いんや別に」
『見回りはそれくらいでいいから早く戻ってきて。書類が溜まってる』
うえ〜……。
そんなの一人で頑張れよー。
オレが来るまでは一人だったんだろ?
『1分以内に来なかったら咬み殺s(ブツッ』
1分以内だと?
ふざけんじゃねぇって。
こちとら並盛の端っこ、黒曜との境にいるってのにどうやって1分以
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