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我が剣は愛する者の為に
子は母に似る
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なたもそんなに気にしなくていいのよ。」

「ですが・・・・」

「だぁ〜〜!!
 私が気にするなって言ったんだから、気にするな!!」

「師匠・・・・」

俺は堪らず、師匠に助けを求める。
師匠はその光景を見て少し笑いながら言う。

「諦めろ、縁。
 堅はそういう奴だ。」

「あっ、何かそれ馬鹿にしているでしょう。」

「そんな訳がない。
 むしろ、尊敬している。」

本当か〜?、と疑わしい視線を送る。
二人の会話を聞いて、俺は少し唖然としていた。
これはあくまでイメージなのだが、俺は孫堅はもっと、こう、堅物というか、そんなイメージを抱いていた。
だが、実際に出会ってみると、そんなイメージとは180度真逆の人間だった。
俺が唖然とした表情をしていると、孫堅は言う。

「分かった?」

「は、はい。」

俺は勢いに負け、ゆっくりと頷く。
軽いカルチャーショックだ。

「よぉ〜し。
 とりあえず、移動しますか。
 此処じゃあ話しにくいでしょ。」

孫堅はそう言うと、先頭を切って玉座から出て行く。
師匠はその行動を見て変わらないな、と呟きながらその後ろをついて行く。
当然、俺もその後に続く。
廊下を歩いていると、外は中庭の様だ。
よく本とかで読んだけど、城の中に庭ってあるんだな。
そんな事を思いながら、中庭にある廊下を歩いて行く。

「雪蓮!!
 危ないから、そこを降りろ!!」

と、女性の声が聞こえた。
どうやら、中庭から聞こえる。
師匠と孫堅も聞こえたのか、中庭に視線を向ける。

「大丈夫よ、冥琳!
 ほら、貴女も来ればいいじゃない!」

「それではお前を止める人が居なくなるだろう!」

そんな会話が聞こえる。
孫堅はその声に聞き覚えがあるのか、はぁ〜、と重いため息を吐く。

「すまん、ちょっと待ってくれるか。」

そう言って孫堅は中庭に足を運ぶ。

「行くぞ、縁。」

師匠はそれだけを言って、孫堅の後について行く。
あれ、待っといてくれ、って言われてなかった?
俺の疑問なぞ知らずに、師匠は孫堅の後ろをついて行く。
この場に残っているのもあれだったので、俺もついて行く。
少し歩いた所のある一本の木に彼女達はいた。
一人は孫堅と同じ髪の色をした女性が木の上に登っていた。
顔立ちも孫堅によく似ている。
口元にほくろが見える。
その木の根元では女性を必死に降りろと、一人の女性が説得している。
短い黒髪に赤いフレームの眼鏡をかけている。
彼女には泣きほくろがついていた。
孫堅はそんな二人を見て、もう一度ため息を吐く。

「おい、雪蓮!
 さっさと降りないか!!」

「げぇっ、母様!?」

突然の孫堅の言葉
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