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万華鏡
第四十六話 ゆるキャラリレーその七

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「もう無茶苦茶強くてね」
「それで有名な人よね」
「あのシリーズ竜がラスボスだけれど」
 基本的にそうなっている、これは最初のシナリオまだファミコンソフトで出ていた頃よりのシリーズの伝統である、
「あの王様もね」
「強かったわよね」
「前の話じゃまだ子供だったけれどね」
「成長してね」
 それで出て来たのだ、驚異の強さを持つ敵として。
「あの時は純粋な少年だったのに」
「ぐれてね」
「そうそう、父親に毒殺されかけて」
「人類に絶望して」
 近頃のゲームのボスでは結構ある話だ、某社の人気シリーズの八番目のシリーズでも私生児から権力を目指す者が出ている。
「それでよね」
「ああなったのよね」
「確かあれよね」
 琴乃は二人の話にも入った。
「あの王様が倒されて母親違いの妹さんが王位を継ぐのよね」
「そうそう、凄い美形のね」
「ヒロイン並に目立ってる人が」
「エンディングでそうなったわよね」
「そうなの、戦闘には参加しないけれどね」
「ずっと主人公達と一緒にいるのよ」
 そうした設定なのだ、自身に絶対の忠誠を誓っている女竜騎士の背にいるのだ。
「兄妹揃って美形でね」
「王様としても凄いみたいだし」
「というは二人共全然父親に似ていないっていうか?」
「前の作品、実際はその後に出た作品の王様酷いからね」
「ボンクラだからね」
 しかし子供達は優秀だったのだ、まさにトンビが鷹を生むだったのだ。
 そしてその解放王の格好をしたコスプレ同好会のランナーが一位になってだ、二位は茶道部で三位にだった。
 軽音楽部だった、部長は着ぐるみのままで残念そうな様子で言った。
「検討したってことでね」
「満足するっていうのね」
「そういうことね」
「一位になれなかったのは残念だけれど」
 しかしだというのだ、実際に残念そうだが。自分の左右に来た中森先輩と坂口先輩に対して話すのだった。
「それでもね」
「目的は達したわよね」
「それは」
「ええ、出来たわ」
 それは達成出来た、だからだというのだ。
「これでいいのよ」
「目立てたしね」
「それに誰も怪我しなかったから」
「そう、出来たわ」
 また言う部長だった、確かに残念そうな様子であるがそれでも顔は上げていた。そのうえでの言葉である。
「よしとするわ、第一にね」
「第一?」
「っていうと?」
「誰も怪我しなかったから」
 こう言うのだ。
「上出来よ」
「まずは怪我をしないこと」
「それが第一なのね」
「そう、第一よ」
 それが出来たからだというのだ。
「だからいいのよ」
「そして次ね」
「次に向かうのね」
「文化祭よ」
 彼女達にとっての本番、それに向かうというのだ。
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