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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
妹達
Trick53_このメッセージ、遺言にも見える
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  このメッセージを見ていると言う事は、無事にパスワードを解けたようね。
  私の最後の言葉を聞いてもらえて嬉しいような、残念なような奇妙な気分よ。

  奇妙と言えば私達の関係もそう言えるわね。
  実は言うと、私があなたと初めて話した時は偶然じゃないのよ。

  覚えているかしら? 学校の食堂で、一人で昼食を食べているあなたに
  席は空いているか聞いて向かい側に座った時の事。
  あなたは相席を許していたけど、人見知りだったから食事をしながら
  論文を読んで≪話しかけてくるな≫ってオーラを出していたわね。
  人見知りというよりも他人嫌いって感じだったわ。

  でも私はあなたに近付く事が目的だったから、無理に話しかけたわ。
  運良く、あなたが呼んでいる論文は私が既に読んであるものだった。

  『その論文、最新のものじゃないわよ。2ヵ月前に新しく書き変わっている
  『え?』
  『内容が結構変わったの。equal、読むだけ時間の無駄になる』
  『え、あ、ありがとう・・・ございます、先輩』
  『別に構わないわ。そんなもの食べながらだと料理が冷める。
   研究中の間食に食べる簡易食品ならまだしも、
   食堂の料理は熱いうちに味わうべきよ。well、早く食べなさい』
  『は、はい』
  『最新の論文なら私が持っている。食べ終わったら渡すから、安心して
   ゆっくり食べなさい。急いで探す必要もないわ』

  私の研究の一部にあなたの薬剤師としての力が必要だった。
  あなたからクローン技術に使う薬を、細かい事を聞ければよかった。
  気付かれないように何気なく話を聞き出す程度の仲になれば十分だった。

  けど、予想外に仲良くなってしまったわ。
  楽しかった。自分が人道に反した研究をする為、
  あなたに話しているのを忘れてしまうほど楽しかった。

  あなたに会っている間はずっと研究は続いた。
  あなたとの会話から薬の情報を聞き出し続けた。

  それを続けていて、なぜか胸の中に違和感を感じていった。
  日を追うごとに違和感が大きくなって、それが罪悪感だと知ったのは
  あの子が初めて外に出た時の事だった。

  『様々な香りが鼻腔を刺激し胸を満たします。
   一様ではない風が髪をなぶり身体を吹き抜けていきます。
   太陽光線が肌に降り注ぎ頬が熱を持つのが感じられます。

   世界とは・・・こんなにもまぶしいものだったのですね』


  我ながら単純だと思うけど、あの時から私はあの子達を
  造り物とは思えなくなってしまった。
  世界が歪んだ醜いものにしか見えて無かった私よりも。

  あの子の方がずっと人間らしいと思っ
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