楽園の塔
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て事だと思う」
「あぁ・・・ルーの言う通り、それ以前という事だ」
ティアの傍にいるからか、それともただ単に空気を読めていないのか、ルーが珍しく冷静だ。
エルザは小刻みに震え、かつての仲間達を見つめる。
「お前達が何故ここに・・・ルーシィとルーを解放してくれ」
「アンタを連れ戻しにサ」
「みゃあ」
「・・・」
「帰ろう、姉さん」
エルザの言葉にウォーリー、ミリアーナ、ショウが答える。
が、シモンだけは何も言わない。
「言う事を聞いてくれねぇとヨォ」
「ひぃい!」
ウォーリーは銃の先をルーシィに向ける。
・・・が、彼は最大の過ちを犯している事に気づかなかった。
「ルーシィに銃を向けるなど、いい度胸だな」
カチャッ、と。
何かをセットする音と共に、ウォーリーの脳天に銃先が当てられる。
それに気付いたウォーリーが恐る恐るそっちを向くと、そこには隠していた鋭い牙を向ける子犬の姿。
「テ、テメェ・・・」
「みゃあ!?」
ミリアーナが驚く。
それもそうだろう。そこに立っている人物は、先ほど自分が縛ったはずの・・・ルーなのだから。
否、先ほどまでのルーではなく、第二の人格降臨中なのだが。
「ルーシィにそれ以上危害を加えてみろ。貴様だけでなく、そこの猫女や肌黒や巨漢もまとめて消すぞ」
いや、今重要視すべきはエルザなのだが。
彼の頭には「ルーシィに銃が向けられている」という事だけのようだ。
つまり、ルーシィが危ないので凄まじい力でチューブを引きちぎった、という訳らしい。
いやはや・・・恋の力は凄いものだ。
「なら、アンタを撃つとするゼ」
「ルー!」
「よ・・・よせ!頼む!止めてくれ!」
銃の先がルーシィからルーに向けられる。
本人は微動だにしないが、エルザは叫び、懇願した。
すると、銃を持ったウォーリーの腕が消え、エルザの背後に姿を現す。
「あ・・・」
「エルザーーーーー!」
「ッラア!」
それを見たルーシィは叫び、ルーはすぐさま銃弾を放つ。
が、その銃弾は当たる前にショウのカードに吸い込まれるように消えた。
それにルーが驚愕している間に、エルザは力なく倒れ込み、シモンがそれを支える。
「睡眠弾だゼ」
「目標確保。帰還しよう」
シモンが呟く。
「ちょっと!エルザをどこに連れてくのよ!返しなさいよ!」
「待て!」
拘束されながらもジタバタと4人を追おうとするルーシィに、銃を片手に駆け出すルー。
「みゃあ」
そんなルーシィにミリアーナがピッと指を向けると、彼女を拘束するチューブがさらに強まり、締め上げられる。
「
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