第1部:学祭前
第5話『迷走』
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。
これも一種の『恋』なんだろうさ。
好きな人に尽くすのは悪くないと思うぜ」
「恋っていうわけじゃないけどさ、というか私はレズじゃないぞ」澪は律を小突きながら、「でも、何となくほっとけない、助けたいようなはかなさが、何となく感じられたんだ」
澪はそう言うと、練習のためベースを取り出す。
唯もやる気が戻り、ギターでドレミファソラシドと弾いている。
「ま、あんなところだな。黙って見守るしかないな」
律は呆れて肩をすくめる。
「ですけどね、ひっじょーに込み入ったところに二人とも、入っている気がするんですよ。
正直もう、あいつらとは関わりたくないですよ! 伊藤って奴とも、桂って人とも、他のみんなとも!!
どんどんややこしくなるばかりじゃないですか!!」
「…まあ、私たちはそれでもいいかもしれないけどね、
唯や澪はそうはいくまい。本気であいつらが気にかかるみたいだから」ため息をつきながら、律は言った。「まあとりあえず、あたしらはあたしらで頑張ろうぜ。
ライブを済ませてさ、逆ナンパをしてさ、うちらにふさわしい彼氏を作ってさ、チェリーを卒業してさ、キャンプファイヤーで踊ってさ。
いい思い出を作ろうぜ」
「そうね、学祭の後にはケーキバイキングもあるし。みんなでたくさん食べましょう」
ムギもうなずく。
「ま、以前にも言ったよね。苦しみが人を成長させるって。私もできる限りあなたたちのサポートはするから、楽しんできなさい」
さわ子も腕組みをしながら、穏やかに言った。
梓は一人、呟いた。
「もう地獄めぐりの気分…私たち、ただで帰れないかも…」
そして、学祭の日……
続く
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