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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第38話 バルトマンの過去(前編)
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多かった。小さいときは好奇心旺盛で、色んな知識をスポンジのように吸収する。そして吸収した様々な知識から自分の自己を得たり、物事の良し悪しを決めていくんだが………もしそれが一方通行な知識だけ詰め込まれたらどうなる?」
深く考える3人、流石にライは勘づいたのか納得した様子だった。
そんな中優理が恐る恐る手を挙げた。
「その事が正しくて他の事が全て嘘だと信じこんでしまう?」
「正解。………ですよねバルトさん」
「ああそうだ。………まあ俺の場合は文字や単語を覚えるのに精一杯で座学での刷り込みなんかは全然頭に入ってなかったがな。………だが奴等はこう教えていたのは覚えている。『戦って死ねば極楽な世界へと旅立てる』と………」
「クズめ………」
「子供達を何だと………」
夜美とフェリアが怒りを込めながら呟いた。
「あのバルトさん………特別授業は………」
「………ハッキリ言って女が大勢いる場所で話したくはない。大雑把に言えば性的な暗殺術を教えたりストレスを溜めないように敵捕虜を使って暴行やレイプ紛いな事を行っていた。そして当然の様にこう言っていた。『これは救い』だと」
そんなバルトさんの言葉に俺も含め誰もが返す言葉を失っていた。
「………当然バルトさんも………」
「ああ。その時の俺はただの人形だったからな。だが幸運にも言葉を知らない俺は刷り込みは効かなかった。それが俺にとって救いだったな」
「救い?」
「俺も同じだったらここにはいなかった、あの時死んできただろう。そう、あの教会での生活は長くは続かなかった…………」
半年後………
「よう、バルト。今回の戦闘訓練凄かったじゃないか!!」
「ああ」
何時ものように戦闘訓練を終え少々休憩しているバルトにケントが話しかけてきた。
「次は特別実習だな、今日も敵捕虜の『救済』かな?」
「………」
首を傾げるバルト。
多少コミュニケーションを取れるまでなれたバルトだったが未だに単語の意味など分からないことばかりだった。
「ああごめん、救済って助けるって意味だよ」
「助ける………?」
「そう、無事天国へ行けるように俺達が手を差し出し、最後に死を持って天に召される。俺はこの瞬間が嬉しいんだ。こんなゴミみたいな俺が人に救いを与えてあげられる人間になれたって」
「………」
バルトはケントの言っていることの半分も分からなかった。
しかし………
(俺達と彼等はなんで違う救いなんだろう………)
その疑問こそ全ての始まりだった。
「俺は特別実習の後、皆が寝静まったのを確認しておもちゃにされている地下へと向かった。その時はたまたま捕まっていた
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