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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
12回目の一騎打ち
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とエタルドの力は互角である以上、正面からぶつかっては相打ちになる可能性が高い。だからこそ、クロエはダメージ覚悟で敢えて吹き飛ばされたのだ。
そして、吹き飛ばされた際に散った魔力光に紛れて、渾身の力で空を切る斬撃「飛斬一閃」を放った。

余りにも切り口が鮮やかであったため、シグナムは吹き飛ぶこともなく静かに―――斬られていたのだ。
非殺傷設定であるとはいえ、魔力刃が人体を貫通すればそのダメージは計り知れない。切断面から痛烈な痛みを感じる。同時に魔力の漏洩も。どうやら斬撃の一部がリンカーコアを掠ったらしく、既にシグナムは碌に魔力の制御もままならなくなりつつあった。

『シ、シグナム?決着はどうなったのですか!?』

毛利に響くシャマルの声、先ほどから微動だにしない私の様子を不審に思っての事だろうが、既にシグナムに満足な返事をするほどの余裕はなく―――

「すま、ない・・・負けた、よう・・・だ・・・・・・」

足場が消えたようにシグナムの身体が自由落下を始める。それを、下に回り込んだヴィータはそっと受け止めた。その瞳にはやんちゃな子供の面倒を見る年長者の様な優しさが籠っている。
ビルにめり込んだクロエの方にはなのはが、そしてシャマルとザフィーラは治療のためここに急行中。

仮にもベルカの将、子供に負けたとあっては小言の一つや二つ聞かせるべきなのだろうが、シグナムの顔を見てヴィータは苦笑するしかなかった。

「まったくよー・・・気持ちよさそうな顔しやがって。これじゃ怒るに怒れねぇぜ」

どうやらクロエの方は意識があるらしく、涙目になって容体を気遣うなのはにか細い声で返事を返している。


この勝負、僅差ではあったが高町黒衣の勝ちだ。
その戦いの結果に、シグナムは一片の悔いも持っていないだろう。
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