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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
12回目の一騎打ち
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」
「はい、飛べますよ。どうしたんですか?」
「うん・・・急いで君を友達の所に送り届けないと同僚に迷惑がかかるかもしれないから。ごめんね、僕の都合で急がせることになって?」
「・・・お兄さんは親切なんで許してあげます」
(・・・ってあれ?空飛べるんだ!?冗談のつもりだったのに・・・地球の人って凄いなー!)
↑未だにユーリが普通の人間ではない事に気付いていないニルス
膨大な魔力と魔力の激突によって起きた均衡は、今度は一度目ほど長く続かなかった。
ぎり、ぎり、と金属を削る音を立てて押し込まれる剣は―――シグナムのラグネル。
「な・・・お兄ちゃんが押し負ける・・・!?」
「いけーシグナムー!!そのまま押し切・・・」
「・・・」
「二人とも頑張れーッ!!」
無言のプレッシャーに2秒で負ける騎士とはどうなのだろう。
と、そんなことを話している場合ではない。燃え盛るラグネルが突如爆発的な炎を放った。
「私は・・・この剣の事は知らん・・・だが・・・ッ!!」
私の後ろに蒼い髪の剣士がいる。剣を通して伝わってくる魂が、この技を撃てと叫んでいる。この剣にて多くの敵を討ち果たした異界の英雄が、お前ならできると激励する。ならば、やってやろうではないか。
クロエ、お前の後ろにも見えるぞ。深い藍色の髪を揺らす、黒鎧の剣士が。それがお前のエタルドに籠る英雄の想いか。・・・ふっ。事ここに至って尚、諦めてはいないようだな。
ならば、これを受けろ。そしてそれでも立っているのならばお前の勝ち。立っていなければ、私の勝ちだ!
「天・空!!一閃ぇぇぇえええええんッッ!!!」
「・・・ッッッ!?」
ラグネルの力が、爆発した。
拮抗が完全に破れる。
虚空を踏みしめていたクロエの脚が空を切った。
空を照らす紅と蒼の炎が下した判決。
虚空を弾丸のような速度で吹き飛ばされるクロエはそのまま付近の高層ビルに激突し、それでも止まらず突き抜けた先に存在したビルの外壁にクレーターの様な破損を及ぼし、ようやく止まった。
磔にされた聖者の様に指一つ動かさないクロエ。それが勝敗を物語っていた。
「ご、ふっ・・・やれやれ・・・まったく、この土壇場で、そんな真似・・・手癖が悪い、な・・・」
シグナムのバリアジャケットに一直線の切れ目が入っていた。その切れ目は胴体を貫き背中まで貫通し、彼女のはるか後方にある電波塔を中ほどから綺麗に切断していた。
天空一閃によって押し負けるまで、クロエの抵抗がやけに弱かった。その理由をシグナムは今理解した。
ラグネル
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