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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
12回目の一騎打ち
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私は何と幸せな騎士なのだろう。
遙か過去より続く果て亡き旅路の終幕を締めるのが、これほど素晴らしい騎士だとは。

膨大なアドレナリンが前進を駆け巡り、心臓の送り出す血液が全身を沸騰させる。限界まで酷使される筋肉が痛みと歓喜の悲鳴を上げ、もっと前へと狂ったように叫ぶ。

「血沸き肉躍るとは、まさに今この時の事よ!!」
「せあッ!!」

空を切る刃と刃の激突は戦場音楽を奏で、まるでそれ自体が演劇の一幕であるかのような錯覚を与える。二人の剣士は何所まで力強く、美しく、可憐に舞い続けた。




「綺麗・・・」
「おいおい、あの剣どんだけシグナムと相性がいいんだよ・・・ありゃ相性補正で相当能力がブーストされてっぞ?」

あの後完膚無きにまで敗北し、伝説の「話せばわかる」を使用して天文学的確率で説得を成功させたヴィータが呟く。ちなみに魔力を相当使ったらしく騎士甲冑はあちこちが修復できていない。
残滓であるヴィータは知る由もないが、今のなのはは管理局の「四星の麒麟児」に戦闘のイロハを叩き込まれた上にクロエ道場を生き残り、ある意味原作以上の修羅場をくぐっていた。ヴィータが勝てなくとも無理はない。

なお、四星の麒麟児の実力は今の所一人当たり原作A's終了時点でのなのは・フェイトの2人分に相当する実力があるが、そんな事実を知っているのはどっかの引きこもり転生者くらいである。

二人以外の残滓の騎士はというと、ザフィーラは横槍が入らないように待機、シャマルは怪我人(ヴィータとこれから出るであろう一人)治療のためにこちらへ向かっている。死した存在が今を生きる人間の命を奪うなどあってはならないと考えたため、最初からリッターは誰かを殺傷する気はない事は既になのはに伝えてある。

幾度となくぶつかる二つの剣士になのはは嘆息を漏らした。自分には、今のあの二人の間に割って入るだけに実力が無い。魅せるだけの技量もない。それをハッキリ感じ取れた。

「はぁ・・・私もあれくらい戦えるようになりたいなぁ」
「あの黒いのそんなに強いのか?」
「・・・黒いのじゃなくてクロエ。私のお兄ちゃんだよ」
「ヒッ!?申し訳ございませんでしたぁっ!!」

ヴィータ、もはや完全に調教済み。




しかし演劇に終わりが訪れる様に、2人だけの決闘も終わりが訪れる。

「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・!!」
「フーッ・・・・・・フーッ・・・・・!」

歴戦の猛将であるシグナムも体力が無限にあるわけではない。それは体が未成熟なクロエも然り。既にかなり長く戦っている二人には体力の限界が見え始めていた。

「随分・・・疲れている・・・ようじゃないか?」
「それはお互い様だ・・・このままでは埒が明かない」
「なれば、もう一度受けてみ
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