第117話
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た。
麻生は皿を回収して、キッチンに持っていき皿を洗っていく。
その時、部屋の電話が鳴り響いた。
麻生は手を止めて、その電話に出る。
「あっ、恭介さんですか?
私です、五和です。」
声の主は五和の様だ。
「朝早くからどうした?」
「あのですね、たった今オルソラさん達の引っ越しが終わりまして、今からキオッジアに戻る所なのです。
おそらく、今日の夜には戻れると思います。」
「それで?」
「こちらから招いたのに、二日目になって恭介さんを放っていくような事になって申し訳ありません。
明日はちゃんと街を紹介しますので、今日は・・・その・・・自由に過ごしてください。
本当に申し訳ありません。」
電話先で五和が頭を下げているのが、簡単に想像できた。
どうやら、麻生を放って行った事に負い目を感じて、電話をしたのだろう。
「気にするな。
こっちはこっちで楽しむから、そう謝るな。」
「そう言っていただいてくれて、ありがとうございます。
こちらも出来るだけ早く戻りますので。
それでは。」
そう言って、電話が切れる。
話を終えた所を見た上条は、内容が気になったのか尋ねてくる。
「何だったんだ?」
「五和・・・あ〜、天草式の一人から電話でな。
何でも、戻ってくるのが今日の夜らしいから、今日一日はゆっくりしてくれだとよ。」
皿を洗いながら、上条の質問に答える。
それを聞いた上条は、ふ〜ん、と呟いた後、こういった。
「じゃあ、恭介は今日一日は暇って事だよな?」
「そういうことになるな。」
「じゃあさ、俺達と一緒に観光でもしないか?」
「嫌だ。」
「何でだよ。」
「お前達と一緒に行ったところで不幸な目に合うに決まっている。」
「うっ・・・・」
麻生の言葉を否定できないのか、何も言えなくなる。
皿を洗い終わると、麻生は自分の旅行鞄から本を取り出し、椅子に座りながら読み始める。
「なぁ、本当に行かないのか?」
「しつこいぞ。
行くならインデックスと行け。」
「分かったよ。
もし、気が変わったら電話してくれ。」
上条は財布と携帯電話をポケットに入れる。
麻生の料理を食べて、満腹になったのか、ベットに寝転がっているインデックスを起こして、部屋を出て行く。
(外に行く事になっても、お前達とは一緒にはいかないがな。)
最後まで読み終え、時計を確認する。
時間は十二時ごろ。
次の本を読もうとしたが、麻生が持ってきていた本は一冊しかなかった。
小さく舌打ちをして、窓の外を見つめる。
少し考えた後、財布をポケットに入れると、部屋を出て行く。
(軽く散歩して
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